従業員の妊娠・出産・育児に関する各種制度について、2025年〜2026年の法令改正後の内容と、最新の制度改正を含めた2026年版の情報をまとめました。
この記事の要点:時期ごとの休業とお金
妊娠してから子が2歳になるまでに取れる休業と、支給されるお金・支給元を一覧にまとめました。くわしい条件は各章で説明しています。
| 時期 | 休業 | 支給されるお金(支給元) | 社会保険料(健康保険・厚生年金) |
|---|---|---|---|
| 妊娠中、つわりなど仕事以外の病気の療養で働けないとき | 欠勤・休職など。医師などから指導を受けた人には、会社は勤務時間の変更や勤務の軽減などの措置をとる義務がある(男女雇用機会均等法第18条第1項) | 傷病手当金:3日続けて休んだあと、4日目から1日あたり標準報酬日額の3分の2(健康保険) | 免除なし |
| 出産予定日の6週間前(多胎は14週間前)から産後8週間まで | 産前産後休業(産前は本人の請求で取得。産後6週間を過ぎれば、本人が請求し医師が認めた業務で働ける) | 出産手当金:1日あたり標準報酬日額の3分の2(健康保険) | 条件を満たせば会社の申出で免除 |
| 出産したとき | ― | 出産育児一時金:1児につき50万円。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などは48.8万円(健康保険) | ― |
| 原則、子が1歳になるまで(保育所に入れないときなどは最長2歳まで) | 育児休業 | 育児休業給付金:賃金の67%。産後パパ育休で給付を受けた日数と合わせて180日を超えた分からは50%(雇用保険) | 条件を満たせば会社の申出で免除 |
| 原則、子の出生後8週間のうち最大4週間(28日) | 出生時育児休業(産後パパ育休) | 出生時育児休業給付金:賃金の67%(雇用保険) | 条件を満たせば会社の申出で免除 |
| 出生後の決められた期間に、原則として両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取ったとき(配偶者の条件がかからない場合あり) | 育児休業・出生時育児休業 | 出生後休業支援給付金:賃金の13%を最大28日分上乗せ。休業中に給与が出ていなければ、67%と合わせて80%(雇用保険) | 条件を満たせば会社の申出で免除 |
| 2歳未満の子を育てるために時短勤務をして、賃金が下がったとき | 育児短時間勤務 | 育児時短就業給付金:時短中に支払われた賃金の10%。時短前の賃金の9割を超えると率が下がる。上限額あり(雇用保険) | 免除なし |
休業を取れることと、給付を受けられることは別です。給付ごとに、加入している保険や加入期間などの条件があります。休業中に給与が支払われると、給付が減ったり出なかったりします。
標準報酬日額は、支給を始める月以前の、直近の継続した12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額です。いまの健康保険で続けて加入した期間が12か月に満たない人(転職で加入先が変わった人など)は、計算が変わります。
育児休業給付金・出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金の「賃金」は、休業を始める前の賃金をもとに計算した日額で、上限があります。育児時短就業給付金は、時短勤務中に各月に支払われた賃金をもとに計算します。
目次
- 1. 妊娠中の休業・欠勤について
- A. 妊娠中の休業・欠勤の基本
- B. 傷病手当金について
- 2. 産前産後休業
- A. 休業期間
- B. 出産一時金と出産手当金
- 3. 育児休業
- A. 基本概要
- B. 取得資格と条件
- C. 育児休業給付金(雇用保険)
- D. 復帰日の明確化
- E. 育児休業中の就労について
- 4. パパ育休(出生時育児休業)
- A. 制度概要
- B. 就労条件と給付
- 5. 時短勤務と育児時短就業給付金
- A. 時短勤務制度
- B. 育児時短就業給付金(2025年4月新設)
- 6. 2025年4月の法改正ポイント
- A. 子の看護等休暇への名称変更・拡大(2025年4月施行)
- B. 残業免除の対象範囲拡大
- C. 育児休業取得状況の公表義務化
- D. 育児休業取得等に関する状況把握と数値目標設定
- E. テレワーク推進(努力義務)
- F. 育児休業延長条件の厳格化
- 7. 2025年10月の法改正(施行済み)
- A. 柔軟な働き方を実現するための措置の義務化
- B. 個別意向聴取・配慮の義務化
1. 妊娠中の休業・欠勤について
A. 妊娠中の休業・欠勤の基本
妊娠中の休業・欠勤については、法令に基づいた適切な対応が求められます。妊娠という理由だけで無条件に欠勤を認めるものではなく、企業運営への影響も考慮しながら、合理的な範囲で配慮する必要があります。
認められる休業の範囲:
- ・医師の診断書に基づく休業(つわりや体調不良等)
- ・産前休業:出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得可能
注意事項:
- ・医師等から指導を受けた旨の申出があったときは、診断書や母健連絡カードが出ていなくても、指導の内容を確かめたうえで必要な措置をとります。診断書がないことだけを理由に休業を断ることはできません
- ・業務内容の調整や配置転換などの措置を講じることで継続勤務が可能な場合は、そうした対応を検討します
- ・妊婦が請求した場合、会社は業務負担軽減などの合理的な措置を講じる義務があります
B. 傷病手当金について
妊娠中の体調不良で働けない場合に活用できる制度です。
対象条件:
- ・医師の診断書により就業が困難と認められること
- ・休んだ期間について給与が支払われないこと。給与が出ていても、その日額が傷病手当金の日額より少なければ差額が支給されます
- ・健康保険に加入していること
支給内容:
- ・待機期間(原則3日)経過後、給与の約2/3が支給
- ・同じ傷病について、支給開始日から通算して1年6か月まで受給できます。途中で出勤するなどして支給されなかった期間があれば、その分は繰り越されます
2. 産前産後休業
A. 休業期間
産前休業:
- ・出産予定日の6週間前(多胎出産の場合は14週間前)から取得可能
産後休業:
- ・出産後、原則として8週間の休業が必要
- ・産後6週間を過ぎたあと、本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務にかぎって就業できます
B. 出産一時金と出産手当金
出産一時金:
- ・健康保険から支給
- ・支給額は原則50万円(産科医療補償制度に未加入の医療機関で出産した場合は48.8万円)
- ・多胎出産の場合は、子ども1人ごとに支給されます
出産手当金:
- ・産前産後休業期間中、給与の約2/3が健康保険から支給されます
- ・支給対象期間は産前42日(多胎の場合98日)、産後56日間です
- ・出産予定日より遅れた場合、その遅れた日数分も「産前」として加算されます
加入期間の要件:
- ・在職中の被保険者には、加入期間の長さの要件はありません。産前42日(多胎は98日)から産後56日の範囲で、出産のため仕事を休み、給与が出ていないことなどで判断します
例外条件:
- ・退職後も出産手当金を受けるには、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、かつ退職日の時点で出産手当金を受けているか、受けられる状態であることが必要です。退職日に出勤すると対象外になります(「資格喪失後6か月以内の出産」は出産育児一時金の条件です)
3. 育児休業
A. 基本概要
定義:
- ・「1歳未満の子どもの養育を目的とする休業」と定義されています
取得期間:
- ・原則、子どもが1歳になるまで取得可能
- ・1歳以降の延長には、保育所等に入れない場合のほか、子を養育する予定だった配偶者が死亡・負傷・疾病などで養育できなくなった場合もあります。なお、育児休業そのものの延長と、雇用保険の給付期間の延長は別の手続きです。下に挙げたのは給付期間の延長のほうで、2025年4月から確認が厳しくなりました
育児休業延長の条件:
①保育所等の利用申し込み
- ・認可保育所への利用申し込みが行われており、子が1歳になる日(または1歳6か月になる日)の翌日時点で利用ができない場合
- ・認可外保育所のみの申し込みでは延長不可
②速やかな職場復帰の意思
- ・保育所等の利用申し込みが「速やかな職場復帰」を目的として行われたものであること
- ・以下の場合は認められない
・入所保留を希望する意思表示をしている
・自宅から片道30分以上かかる施設のみを希望している(合理的理由がない場合)
必要書類の提出:
- ・市区町村が発行する「入所保留通知書」または「入所不承諾通知書」
- ・「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」(速やかな職場復帰意思などを記載)
- ・保育所等利用申し込み時の「申込書の写し」
注意点:
- ・入所希望施設については合理性が求められ、不合理な選択(例:遠方施設のみ希望)は認められません
- ・書類提出が増え、虚偽申告や不正延長が防止される仕組みとなっています
B. 取得資格と条件
対象者:
- ・正社員、契約社員、パートタイマーなど雇用形態を問わず取得できます。ただし有期雇用の場合は、子が1歳6か月に達する日(1歳以降の休業では2歳に達する日)までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないことが必要です
ただし、以下の条件があります(2025年4月時点)。労使協定で定めた場合、以下の労働者は対象外となる可能性があります。
・入社1年未満の労働者
・申出の日から1年以内(1歳以降の休業の申出では6か月以内)に雇用関係が終了することが明らかな労働者
・週の所定労働日数が2日以下の労働者
取得回数:
- ・1人の子につき原則2回取得可能
- ・1歳までの休業と延長分は別枠として扱われます
C. 育児休業給付金(雇用保険)
支給内容:
- ・休業開始から180日間:賃金の67%【2025年4月〜 出生後休業支援給付金で手取り10割に】
2025年4月から「出生後休業支援給付金」が新設され、一定の条件を満たすと給付率が80%に引き上げられます。育休中は社会保険料が免除され、給付金は非課税のため、実質的に手取り10割相当となります。支給要件:
・父親:子の出生後8週間以内に通算14日以上の育休取得
・母親:子の出生後16週間以内に通算14日以上の育休取得
・配偶者も、子の出生日か出産予定日の早いほうから、遅いほうを基準とする出生後8週間の期間に、通算14日以上の育児休業を取得していること。配偶者がいない場合や、配偶者が産後休業中・無業者・自営業者などの場合は、この要件はかかりません支給期間:最大28日間
※この期間は従来の育児休業給付金(67%)に上乗せされる形で支給されます。 - ・その後は賃金の50%(上限額あり)
受給条件と回数制限:
- ・休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月以上あること。11日以上の月が足りないときは、賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の月も数えます。病気やけが、出産などで引き続き30日以上賃金を受けられなかった期間があれば、数える期間を最長4年まで延ばせます
- ・同一の子について原則2回までの支給(特別な事情がある場合を除く)
- ・3回目以降の育児休業については、原則給付金を受けられません
例外事由(回数制限から除外される場合):
- ・別の子の産前産後休業、育児休業、別の家族の介護休業が始まったことで育児休業が終了した場合で、新たな休業が対象の子または家族の死亡等で終了した場合
- ・配偶者の死亡、負傷等により、子の養育ができなくなった場合
- ・子が負傷、疾病等により2週間以上の世話を必要とする状態になった場合
- ・保育所等での保育利用を申し込んでいるが、実施されない場合
D. 復帰日の明確化
育児休業に入る前に、復帰予定日を必ず明確に設定し、書面で確認しておくことが重要です。これにより「いつでも好きなときに復帰したい」といった曖昧な要望や、急な復帰希望への対応に伴う人員配置の混乱を防止できます。計画的な人員配置と業務運営のためにも、復帰日の明確化は会社・従業員双方にとって有益です。
E. 育児休業中の就労について
誤解の解消:
- ・「育児休業中は80時間未満なら就労しても問題ない」という情報は誤りです
正しい運用:
- ・育児休業は「子どもの養育」を目的としているため、原則として就労は認められません
- ・例外として、突発的なトラブル対応など、例外的かつ短時間の就労のみ認められる場合があります
4. パパ育休(出生時育児休業)
A. 制度概要
導入時期:
- ・令和4年10月から導入された比較的新しい制度です
取得期間:
- ・出産直後(出生後8週間以内)に、通算28日間まで取得可能
- ・通常の育児休業とは別枠で扱われます
B. 就労条件と給付
就労可能な範囲:
- ・労使協定により、原則として所定労働日数・時間の半分まで就労が認められます
- ・ただし、就労は本人の同意が前提となります
給付金:
- ・雇用保険から「出生時育児休業給付金」として賃金の67%(上限あり)が支給されます
- ・同一の子について2回まで分割して取得でき、給付金を受けられます
- ・通常の育児休業給付金とは別に計算され、支給回数制限にも影響しません
申請に関する注意点:
- ・出生時育児休業を2回に分割した場合でも、給付金の申請は1回にまとめて行う必要があります
- ・申請期限は、子の出生日(出産予定日より前に生まれた場合は出産予定日)から起算して8週間を経過する日の翌日を起点に、2か月を経過する日が属する月の末日までです
5. 時短勤務と育児時短就業給付金
A. 時短勤務制度
制度の趣旨:
- ・育児と仕事の両立支援を目的とした制度です
対象期間:
- ・3歳未満の子を養育する労働者は、1日6時間の短時間勤務制度を利用できます
・3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者については、2025年10月1日から、事業主は「柔軟な働き方を実現するための措置」5つのうち2つ以上を整える義務があります
B. 育児時短就業給付金(2025年4月新設)
目的:
- ・育児と仕事の両立を支援するため、時短勤務による収入減少を補填し、時短勤務制度を利用しやすくすることを目的とした給付制度
対象者:
- ・2歳未満の子どもを養育するために短時間勤務を選択した労働者
- ・性別に関係なく、男性・女性どちらも対象
- ・支給条件として、次の1と2のどちらかに当てはまることが必要です(このほか、各月の賃金などの要件もあります):
- 1.時短勤務開始前の2年間に「みなし被保険者期間」が12か月以上あること
- 2.育児休業給付金または出生時育児休業給付金の受給後、引き続き時短勤務を開始した場合
支給額:
- ・時短勤務中に支払われた賃金額の10%が支給
- ・ただし、時短勤務前の賃金水準を超えないよう調整
特徴:
- ・1日の所定労働時間を短縮する場合だけでなく、週単位で所定労働日数を減らす形態も含む
- ・他の休業給付(育児休業給付金など)との重複受給は不可
6. 2025年4月の法改正ポイント
A. 子の看護等休暇への名称変更・拡大(2025年4月施行)
名称変更と対象拡大:
- ・「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に正式名称が変更されました(育児・介護休業法第16条の2第1項)
- ・対象が小学校第3学年修了前(小学校3年生まで)の子を養育する労働者に拡大されました
追加された取得事由:
- ・感染症に伴う学級閉鎖等で登園・登校できない場合
- ・入園(入学)式・卒園式への参加
- ・従来からの「負傷・疾病にかかった子の世話」「予防接種・健康診断の受診」も引き続き対象です。なお、授業参観や運動会など学校行事全般は法律上の取得事由ではありません(会社が独自に上乗せするのは差し支えありません)
取得日数:
- ・子1人につき年5日、2人以上は年10日(時間単位での取得可)
労使協定での対象外規定の廃止:
- ・「継続雇用期間6ヶ月未満の労働者」を労使協定で対象外とする規定が廃止され、勤続期間に関係なく取得可能となりました
B. 残業免除の対象範囲拡大
改正内容:
- ・これまで3歳未満の子どもを養育する労働者が対象だった「所定外労働(残業)の免除」が、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者まで拡大されました。6歳の誕生日を過ぎていても、小学校に上がる前なら対象です
C. 育児休業取得状況の公表義務化
対象企業:
- ・従業員数300人超の企業
改正内容:
- ・男性の育児休業取得状況を公表する義務が課されます
- ・公表内容には、具体的な取得率や人数などが含まれます
D. 育児休業取得等に関する状況把握と数値目標設定
対象企業:
- ・従業員数100人超の企業
改正内容:
- ・男性労働者の育児休業等の取得状況と、労働時間の状況を把握・分析し、それぞれに数値目標を設定することが義務になりました。2025年4月1日以降に一般事業主行動計画を策定・変更するときからです
- ・これにより、企業は育児支援に関する具体的な取り組みを強化する必要があります
E. テレワーク推進(努力義務)
改正内容:
- ・3歳未満の子どもを育てる労働者に対して、テレワーク制度を導入・活用することが企業に求められます
- ・ただし、この措置は努力義務です
F. 育児休業延長条件の厳格化
改正背景と目的:
- ・育児休業延長を不正利用するケースを防止し、職場復帰を真に目的とした申請を促進するための措置です
- ・2025年4月から審査基準が厳格化され、必要書類も増加しています
審査基準の変更:
- ・職場復帰意思がないと判断される場合や、合理的な理由なく遠方の保育所のみを希望した場合は延長が認められません
- ・ハローワークによる審査が強化され、提出書類の真実性がより厳しく確認されるようになります
企業としての対応:
- ・従業員への周知や手続き支援を行い、不利益が生じないよう配慮する必要があります
- ・育児休業の期間設定や復帰計画について、より計画的な対応が重要になります
7. 2025年10月の法改正(施行済み)
A. 柔軟な働き方を実現するための措置の義務化
対象:
小学校就学前(3歳以上)の子どもを育てる労働者
内容:
- ・事業主は以下の5つの措置から2つ以上を選択し整備する必要があります:
・始業・終業時刻の変更(フレックスタイム制や時差出勤)
・テレワーク(月10日以上、時間単位で利用可能)
・保育施設の設置運営や費用補助
・養育両立支援休暇(年10日以上、時間単位で取得可能)
・短時間勤務制度(1日6時間勤務など)
B. 個別意向聴取・配慮の義務化
対象:
- ・育児をしながら働く労働者(介護については別の義務として、2025年4月1日から、介護に直面した旨の申出をした労働者への個別の周知・意向確認が必要です)
内容:
- ・2025年10月1日から、本人または配偶者の妊娠・出産等の申出があったときと、子が3歳になる前の決められた時期に、仕事と育児の両立についての意向を個別に聴き、その意向に配慮する義務があります
- ・特に3歳未満の子どもを育てる従業員に対しては、制度利用対象になる前に周知と意向確認を実施
- ・子が3歳になる前の適切な時期(1歳11か月から2歳11か月までの間)に意向聴取が必要
聴取内容:
- ・勤務時間帯(始業及び終業の時刻)
- ・勤務地(就業の場所)
- ・両立支援制度等の利用期間
- ・その他、仕事と育児の両立の支障となる事情の改善に資する就業の条件(業務量、労働条件の見直し等)
聴取方法::
以下のいずれかの方法で行う必要があります。
- ・面談(オンライン面談も可能)
- ・書面交付
- ・FAX(労働者が希望した場合のみ)
- ・電子メールやSNSメッセージ等(労働者が希望し、書面に出力可能な場合のみ)
配慮義務:
- ・聴取した意向について配慮しなければなりません
- ・労働者の意向を踏まえた検討を行うことが求められます
- ・意向に沿った対応が困難な場合は、その理由を労働者に説明するなど丁寧な対応が必要です
2026年に注目すべき育児関連の制度動向
2025年の大規模改正に続き、2026年も制度の運用が進みます。企業の人事担当者は以下のポイントを押さえておきましょう。
- 出生後休業支援給付金の運用定着:2025年4月に始まった手取り10割制度の社内周知と申請対応
- 柔軟な働き方措置の義務化への対応確認:フレックスタイム・テレワーク等の措置が適切に運用されているか
- 男性育休取得率の公表義務:従業員300人超の企業は取得率公表が義務化済み。数値目標の設定が義務なのは、常時雇用する労働者が101人以上の企業です
- 2026年10月の賃金要件の撤廃:パート・アルバイトの社会保険加入の要件のうち、賃金要件(所定内賃金の月額が8.8万円以上)が2026年10月に撤廃されました(厚生労働省「適用拡大 Q&A」)
よくある質問
Q. 産休・育休中の社会保険料は払う必要がありますか?
会社が日本年金機構(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合にも)へ申し出ると、健康保険と厚生年金保険の保険料が、本人負担分・会社負担分の両方とも免除されます(健康保険法第159条・第159条の3、厚生年金保険法第81条の2・第81条の2の2)。雇用保険料には、この免除はありません。
産休では、休業を始めた月から、休業が終わる日の翌日が属する月の前月までが免除の対象です。
育休も同じ数え方です。休業を始めた日と、休業が終わる日の翌日が同じ月にある場合でも、その月の育休の日数が14日以上あれば、その月の保険料が免除されます。
育休中の賞与の保険料が免除されるのは、賞与を支給した月の末日を含めて、続けて1か月を超える育休を取った場合だけです。
Q. 出産育児一時金と出産手当金は何が違いますか?
どちらも健康保険から支給されますが、お金の目的が異なります。
出産育児一時金は、出産の費用にあてるお金です。支給額は1児につき50万円で、産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などは48.8万円です。
出産手当金は、出産のために仕事を休んでいる間の生活を支えるお金です。対象となる期間は、出産日(予定日より遅れたときは予定日)以前42日(多胎は98日)から出産日の後56日までです。
このうち仕事を休んだ日について、1日あたり標準報酬日額の3分の2が支給されます(健康保険法第102条)。休んだ日に給与が支払われる場合は支給されず、給与が手当金より少ないときは差額が支給されます(同法第108条第2項)。
Q. 育休中は「手取り10割」になるというのは本当ですか?
「手取り10割」と呼ばれるのは、出生後休業支援給付金が上乗せされる最大28日分です。
この期間は、育児休業給付金(または出生時育児休業給付金)の67%に13%が上乗せされ、休業中に給与が出ていなければ給付率が80%になります(雇用保険法第61条の10)。給付金には税金がかからず(同法第61条の6第5項・第12条)、休業中の健康保険・厚生年金の保険料も免除される場合が多いため、手取りで見ると休業前と同じくらいになる、という目安です。実際の手取りは人によって変わります。
上乗せを受けるには、原則として本人と配偶者がそれぞれ14日以上の育児休業を取る必要があります。本人が産後休業をしていない場合は、子の出生後8週間以内(出産予定日とずれたときは調整があります)に取ることが条件です。産後休業をした母親は、期間の数え方が異なります。
配偶者がいない場合や、配偶者が自営業などで雇われて働いていない場合、配偶者が産後休業をした場合などは、配偶者についての条件はかかりません。
上乗せが終わると給付率は67%に戻り、産後パパ育休で給付を受けた日数と合わせて180日を超えた分からは50%になります。また、給付の計算に使う賃金には上限があるため、賃金の高い人は手取り10割に届きません。
Q. パートや契約社員でも育児休業は取れますか?
パートや契約社員も、条件を満たせば育児休業を取れます。ただし、日々雇用される人は対象外です(育児・介護休業法第2条第1号)。
契約期間を決めて雇われている人は、子が1歳6か月になる日までに契約が終わり、更新されないことが明らかでなければ対象になります(同法第5条第1項)。1歳6か月から2歳までの延長では、2歳になる日までで判断します。
会社が労働者の過半数代表などと労使協定を結んでいる場合は、次の人を対象から外すことができます(同法第6条第1項、同法施行規則第8条)。
- 入社して1年に満たない人
- 申出の日から1年以内(保育所に入れないなどの理由で1歳6か月・2歳まで延長する申出では6か月以内)に雇用関係が終わることが明らかな人
- 週の所定労働日数が2日以下の人
※この記事は2026年3月時点の情報に基づいています。冒頭の要点表と「よくある質問」は、2026年10月時点の制度で確認しています。最新の法改正情報は厚生労働省のWebサイトでご確認ください。
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