協会けんぽの電子申請サービスとは?使い方と注意点

Eyecatch 2911 仕事術

この記事でわかること

  • ・協会けんぽの電子申請サービスで何ができるのか
  • ・電子申請の始め方と具体的な手順
  • ・e-Gov電子申請との違い(ここ、混同しやすいです)
  • ・企業の人事担当者が今すぐやるべき3つの準備
オンライン申請のイメージ

協会けんぽの電子申請サービスって何?

2026年1月13日から、協会けんぽ(全国健康保険協会)が「電子申請サービス」を開始しました。

これまで傷病手当金や高額療養費の申請って、紙の申請書を郵送するしか方法がなかったんですよね。「令和の時代に郵送…?」と思っていた方も多いんじゃないでしょうか。

それが今回、パソコンやスマホからオンラインで申請できるようになったわけです。

ざっくり言うと、こんな感じです。

  • 郵送不要:ネットで申請が完結する
  • ・24時間いつでも準備OK:書類の作成は好きな時間にできる(サービス利用時間は平日8:00〜21:00)
  • ・審査状況がオンラインで確認できる:「届いてるかな…」のモヤモヤがなくなる
  • ・返戻されてもデータで再申請:一から書き直す手間がない

私の経験上、傷病手当金の申請なんかは記入ミスで返戻されることが結構あるんですよね。電子申請なら修正して再送信するだけなので、これはマジで便利です。

電子申請できる手続き一覧

対象となる手続きは全31種類。主なものを整理しました。

現金給付関係(よく使うもの)

申請書使う場面
傷病手当金支給申請書病気やケガで会社を休んだとき
出産手当金支給申請書産前産後休業中の給与補填
出産育児一時金支給申請書出産費用の補助(1児50万円)
高額療養費支給申請書医療費が高額になったとき
埋葬料(費)支給申請書被保険者が亡くなったとき
療養費支給申請書立替払いや治療用装具の費用

証の交付関係

申請書使う場面
限度額適用認定申請書入院前に医療費の上限を設定
資格確認書交付申請書保険証の代わりになる書類
特定疾病療養受療証交付申請書人工透析等の長期療養

任意継続関係

申請書使う場面
任意継続被保険者 資格取得申出書退職後も健康保険を継続したいとき
任意継続被保険者 資格喪失申出書任意継続をやめるとき

このほか、貸付関係や健診関係の申請も対象です。要するに、協会けんぽに直接出す「給付系」の申請がほぼ全部オンライン化されたと思ってください。

電子申請の始め方と申請手順

「で、実際どうやるの?」という話ですよね。手順はシンプルです。

ステップ1:マイナンバーカードを準備する

被保険者(従業員本人)が申請する場合、マイナンバーカードが必須です。

準備するもの:

  • マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)
  • マイナポータルアプリ(スマホにインストール)

ここ、ポイントです。マイナンバーカードを持っていないと電子申請は使えません。 「通知カード」ではダメなので注意してください。

ステップ2:電子申請サービスにアクセスする

協会けんぽの公式サイト、または「けんぽアプリ」から電子申請サービスにアクセスします。

ステップ3:マイナンバーカードで本人認証

マイナポータルアプリと連携して、マイナンバーカードで本人確認を行います。スマホでカードを読み取るだけです。

ステップ4:申請内容を入力・書類をアップロード

申請書の種類を選んで、必要事項を入力。医師の証明書や領収書は、写真に撮ってアップロードします。

ステップ5:送信して完了

内容を確認して送信。あとは審査結果を待つだけです。審査状況はオンラインでいつでも確認できます。

社会保険労務士の場合は、マイナンバーカードではなくユーザーID・パスワードでログインします。事前に協会けんぽの都道府県支部に利用申請を行い、IDの発行を受ける必要があります。

スマートフォンでの申請イメージ

「けんぽアプリ」でスマホ申請もできる

電子申請サービスの開始にあわせて、「けんぽアプリ」もリリースされています。

このアプリでできること:

  • スマホだけで電子申請が完結する
  • ・健康に役立つ記事の配信(今後追加予定)
  • ・マイナンバーカードの読み取りもアプリ内で対応

iOS・Android両方に対応しているので、パソコンが苦手な方でもスマホで手軽に申請できます。

従業員さんに案内するなら、「けんぽアプリを入れてね」と伝えるのが一番シンプルですね。

e-Gov電子申請との違い【ここ大事】

「うちはもう電子申請やってるけど?」と思った方、ちょっと待ってください。それ、多分e-Govの話です。

実は「電子申請」には2つの別の仕組みがあって、ここがめちゃくちゃ混同されやすいんですよね。

比較項目給付申請(協会けんぽ)届出(e-Gov電子申請)
対象の手続き給付申請(傷病手当金・高額療養費など)届出(資格取得届・算定基礎届・月額変更届など)
誰が申請する?被保険者本人・被扶養者・社労士事業主・社労士
認証方法マイナンバーカード電子証明書(GビズIDなど)
提出先協会けんぽの各都道府県支部日本年金機構
開始時期2026年1月〜以前から運用中

簡単に言うと:

  • 会社が届け出るもの(入社・退社・給与変更など)→ e-Gov
  • 従業員が申請するもの(傷病手当金・出産手当金など)→ 協会けんぽ電子申請

この2つはまったく別のシステムです。「e-Govで電子申請してるから大丈夫」とはなりませんので、ご注意ください。

企業の人事担当者がやるべき3つの準備

さて、ここからが実務の話。「便利になったのはわかった、でうちは何すればいいの?」という方へ。

準備①:従業員のマイナンバーカード取得状況を確認する

まずはこれ。「マイナンバーカード、持ってますか?」と聞くだけでOKです。

電子申請にはマイナンバーカードが必須なので、持っていない従業員には取得を促しましょう。特に傷病手当金や出産手当金を使う可能性がある方は、早めの準備がおすすめです。

準備②:社内の申請フロー・案内を整備する

ここが一番大事かもしれません。

従来は「従業員が申請書を書く → 会社が事業主証明欄を記入 → 会社が郵送」という流れでしたよね。

電子申請では従業員本人がオンラインで直接申請する形になります。つまり、会社を経由せずに申請が進む可能性があるんです。

これ、企業側からすると「誰がいつ何を申請したか把握しづらくなる」というリスクがあります。

対策としては:

  • 「申請する前に会社に報告してね」というルールを作る
  • ・事業主証明が必要な申請について、証明書の発行フローを決めておく
  • ・電子申請の使い方を従業員に周知する(けんぽアプリのインストール案内など)

準備③:社労士との連携体制を確認する

社会保険労務士に手続きを委託している企業は、電子申請サービスへの対応状況を確認しておきましょう。

社労士がID・パスワードで電子申請を代行することも可能です。ただし、その場合は被保険者からの委任状が必要になります。

「紙で出すのと電子で出すの、どっちがいい?」という判断は、申請の頻度や社内体制によって変わります。顧問の社労士に相談して、自社に合ったやり方を決めておくのがベストです。

オフィスでの打ち合わせイメージ

よくある質問(FAQ)

Q. 紙の申請書はもう使えなくなるの?

いいえ、紙での申請は引き続き可能です。 電子申請はあくまで「選択肢が増えた」ということ。紙とオンライン、どちらでも申請できます。

Q. 事業主(会社)が従業員の代わりに電子申請できる?

できません。 協会けんぽの電子申請サービスで申請できるのは、被保険者本人・被扶養者・社会保険労務士のみです。事業主は利用対象外です。

Q. 事業主証明はどうなるの?

傷病手当金や出産手当金など、事業主証明が必要な申請書もあります。事業主証明部分は書面で作成し、画像データとしてアップロードする形になります。

Q. うちは中小企業だけど、電子申請は義務なの?

義務ではありません。 現在、電子申請が義務化されているのは資本金1億円超の特定法人のみで、対象はe-Gov経由の届出(算定基礎届等)です(健康保険法施行規則 第158条の2)。協会けんぽの電子申請サービスについては、企業規模にかかわらず任意利用です。

Q. サービスの利用時間は?

平日8:00〜21:00です。土日祝日・年末年始(12/29〜1/3)は利用できません。

まとめ

協会けんぽの電子申請サービスのポイントを整理します。

  • 2026年1月13日に開始。傷病手当金・高額療養費など全31種類の給付申請がオンライン化
  • マイナンバーカードがあれば、パソコン・スマホから申請できる
  • e-Gov電子申請とは別物。給付系は協会けんぽ、届出系はe-Gov
  • 事業主は直接申請できないので、社内の申請フロー整備が必要
  • 紙の申請も引き続き可能。電子申請は選択肢の一つ

まず最初にやることは、従業員にマイナンバーカードを持っているか確認する。これだけで第一歩です。


「うちの場合はどうすればいい?」にお答えします

社会保険労務士法人 労務ニュースの「オマカセロウムくん」は、給付申請の手続き対応から社内フローの整備まで、人事労務業務をまるごとお任せいただけるサービスです。電子申請への対応も、私たちが一緒に進めていきます。

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