2026年の最低賃金はいくら?東京・大阪・千葉の見通しと中小企業の対策

仕事術

この記事でわかること

  • ・2026年の最低賃金がいくらになりそうか(東京・大阪・千葉の予測あり)
  • ・中小企業にどんな影響があるのか
  • ・今のうちにやっておくべき具体的な対策

2025年の振り返り~全国平均1,121円の時代に

まず、2025年の最低賃金を振り返っておきましょう。

2025年度の改定で、全国加重平均は1,121円になりました。前年から66円アップで、これは過去最大の引き上げ幅です。しかも、全都道府県で初めて1,000円を突破しました。

主要エリアの金額はこんな感じです。

都道府県2025年前年からの引き上げ額
東京都1,226円+63円
神奈川県1,225円+63円
千葉県1,140円+64円
大阪府1,177円+63円
全国平均1,121円+66円

「毎年上がるのは知ってたけど、ここまで一気に来るとは思わなかった」——そんな声を、私たちの顧問先からもたくさんいただきました。

で、気になるのは「来年はどうなるの?」ですよね。


2026年の最低賃金予測~東京・大阪・千葉はいくらになる?

結論から言うと、2026年の全国平均は1,200円前後になる可能性が高いです。

なぜかというと、政府が「全国平均1,500円」という目標を掲げているからです。2026年7月21日に閣議決定された政府の「日本成長戦略」では、達成時期を「遅くとも2030年代前半のできる限り早期に」としています。ペースは年によって変わりますが、当面も毎年数十円規模の引き上げが続く見通しです。

逆算するとこうなる

2025年の全国平均1,121円を1,500円にするには、あと379円の引き上げが必要です。仮に2032年(2030年代前半)に達成するなら、単純計算で毎年50円強のペースになります。

2025年の引き上げ幅は66円でした。それをふまえると、2026年も数十円規模の引き上げが続くとみておくのが自然です。

東京・大阪・千葉の予測

これをもとに試算すると、2026年10月の改定ではこのあたりが見込まれます(以下はあくまで2025年実績と政府方針からの予測で、確定額ではありません)。

都道府県2025年2026年予測
東京都1,226円1,300円前後
大阪府1,177円1,240〜1,260円前後
千葉県1,140円1,210〜1,220円
全国平均1,121円1,190〜1,210円

東京はいよいよ1,300円台に突入する可能性があります。大阪も1,200円台の半ば、千葉も1,200円を超えてくるとみられます。

春闘の動きも追い風に

2026年の春闘では、企業全体として賃上げの動きが継続しています。実際の賃上げ率も5%前後の高い水準が続く可能性があると見られており、2025年と同様に高い賃上げが続く見通しです。

春闘で大手企業の賃上げが進めば、最低賃金の議論にも当然影響します。「大手は上がってるのに最低賃金はこのまま?」という流れになるわけです。

全国の目安は2026年7月の中央最低賃金審議会で示され、それをふまえて各都道府県の地方最低賃金審議会が地域別の金額を決めます。発効は多くの地域で10月以降ですが、時期は都道府県ごとに異なるので、自社の所在地の発効日を確認しておきましょう。

【2026年7月 目安の議論が大詰め】
2026年度の目安を話し合う中央最低賃金審議会の小委員会は、7月下旬に大詰めを迎えています。7月23日の会合でも結論は出ず、続く会合で全国の目安額を詰める段階です。示されたのち、8月に各都道府県の地方審議会が地域別の金額を答申する流れになります。政府が「日本成長戦略」(2026年7月21日閣議決定)で1,500円目標の達成時期を「遅くとも2030年代前半のできる限り早期に」としたこともあり、当面も毎年数十円規模の引き上げが続くとみられます。

中小企業への影響~人件費倒産が急増中

「上がるのはわかった。で、うちの会社は大丈夫なの?」

これが一番気になるところですよね。正直に言って、楽観できる状況ではありません

人件費倒産が3年で22倍

人件費の高騰を背景とした倒産も増加傾向にあると言われています。人手不足や賃上げ圧力の影響で、企業経営への負担は年々大きくなっています。

中小企業の中には事業継続への不安を感じている企業も少なくありません。人件費の上昇や人手不足を背景に、経営環境の厳しさを指摘する声も増えています。

価格転嫁ができていない

問題の根っこは、賃上げ分を売価に転嫁できていないことです。特に労務費の価格転嫁は、原材料費に比べて進みにくい傾向にあります。そのため、賃上げ分を利益で吸収しきれない企業が増えています。

社会保険の適用拡大との「ダブルインパクト」

さらに厳しいのが、最低賃金の引き上げと社会保険の適用拡大が同時に進行していること。パート・アルバイトの社会保険加入が進むと、会社負担の保険料も増えます。

2026年10月には、いわゆる「106万円の壁」(月額賃金8.8万円の要件)が撤廃される予定です。これにより、従業員51人以上の企業週20時間以上働く人は、原則として月収額にかかわらず社会保険の対象になります(学生でないこと、2か月を超えて雇用される見込みがあること等の要件は残ります)。さらに2027年10月以降は企業規模の要件も段階的に引き下げられ、最終的にはすべての企業に広がる予定です。

賃金アップ+保険料アップのダブルパンチは、特に人件費比率の高いサービス業・小売業・飲食業にとって深刻な問題です。

経営者・人事労務担当の方へ——最低賃金の引き上げは、時給の確認だけでなく、影響人数の洗い出し・人件費の試算・業務改善助成金・賃金テーブルの見直しまで、確認すべき点が多岐にわたります。社内の対応漏れを一度に確認できる「2026年 賃上げ対応チェックリスト」(PDF・無料)を配布しています。→ チェックリストを無料で受け取る


今からやるべき3つの対策

「じゃあどうすればいいの?」——ここからが本題です。

10月の改定を待ってから慌てるのではなく、今のうちに準備しておくことが大切です。

① 自社の賃金を棚卸しする

まずは現状把握です。意外とやっていない会社が多いんですよね。

  • 全従業員の時給換算額を計算する(月給者も含めて)
  • 最低賃金ギリギリの社員が何人いるか把握する
  • 最低賃金が上がったとき、玉突きで他の社員の賃金も上げる必要があるか確認する
  • 製造業や各種商品小売業など、特定(産業別)最低賃金がある業種は、地域別と比べて高い方で確認する

月給制の社員も要注意です。ここで使う月給は総支給額ではなく、通勤手当・家族手当・精皆勤手当・割増賃金・賞与などを除いた「最低賃金の算入対象となる賃金」です。これを1か月あたりの平均所定労働時間で割った時給が最低賃金を下回っていたら、違法になります。毎年の改定でこれに引っかかる会社は、けっこうあります。

この棚卸しを含めた「答申前にやるべき実務」の全体像は、2026年最低賃金 答申前にやるべき実務6つの記事で詳しく解説しています。

② 業務改善助成金を活用する

知らない方が多いんですが、最低賃金の引き上げに対応するための助成金があります。

業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った場合に、その費用の一部を助成してくれる制度です(令和8年度は50円・70円・90円の3コース)。

  • 最大600万円の助成(コース・引き上げ人数・特例該当で上限は変動)
  • ・制度拡充や対象設備の見直しが進み、活用しやすい助成金として注目
  • ・POSレジ、業務用ソフト、機械設備など幅広い投資が対象
  • ・物価高騰等の要件を満たす場合(特例事業者)は、パソコンやタブレット等の端末も対象に

どうせ賃金を上げなきゃいけないなら、助成金をもらいながら設備投資もするのが賢い選択です。

「うちは対象になるのか」「いくらもらえるのか」を具体的に知りたい方へ——引き上げ人数別の助成上限額や、令和8年度の申請ルール(事前申請のみ・受付は9月1日〜)は「業務改善助成金とは?令和8年度の金額と条件を解説」で詳しく整理しています。

③ 賃金テーブルを見直す

最低賃金が上がるたびに場当たり的に調整していると、社内の賃金バランスが崩れます

「新人と3年目の給料がほぼ同じ」「パートさんのほうが時給換算で高い」——こういう逆転現象が起きると、既存社員のモチベーションがガタ落ちします。

今のうちに、3年先(最低賃金1,500円時代)を見据えた賃金テーブルを作っておくことをおすすめします。等級ごとの時給レンジを決めておけば、毎年の改定もスムーズです。


まとめ

最後に、ポイントを整理しておきます。

  • 2026年の最低賃金は全国平均1,200円前後、東京は1,300円台、大阪は1,240〜1,260円前後、千葉は1,210〜1,220円が予測される
  • 政府目標「1,500円」の達成時期は「日本成長戦略」(2026年7月閣議決定)で「遅くとも2030年代前半のできる限り早期に」とされた。当面も毎年数十円規模の引き上げが続く見通し
  • 人件費倒産は3年で22倍に急増。価格転嫁と社会保険適用拡大のダブルインパクトに要注意
  • 今のうちに賃金の棚卸し・助成金活用・賃金テーブルの見直しを進めておく

最低賃金の引き上げは、もう「毎年ちょっとずつ上がる」レベルの話ではなくなっています。経営の根幹に関わるテーマとして、早めに手を打っておくことが大事です。

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※この記事は2026年7月時点の情報に基づいています。目安額の答申が出次第、予測額を更新します。

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