freee人事労務があれば社労士いらない?社労士事務所が考えてみた

仕事術

この記事でわかること

  • ・freee人事労務を実際に使っている社労士事務所の本音
  • ・マスタ一元化/低価格/多機能で「社労士不要論」が現実味を帯びている理由
  • ・それでも社労士に頼んだほうがいい場面(労使紛争・労務相談・労基署対応など)
  • ・freeeを最大限活用しつつ、専門家を上手に使うコツ

「freee人事労務、めちゃくちゃ便利ですよね」

これ、社労士事務所のメンバーとして毎日freeeを触っている本音です。あまりに便利すぎて、正直に言うと「これがあれば社労士いらないんじゃないか?」と思う瞬間が、何度もあります

社労士事務所の人間が言うべきことじゃないかもしれませんが、お客様にも誠実に向き合いたいので、今日はこのテーマに正面から向き合います。

「freeeで何がそんなに楽になったのか」「それでも残る社労士の役割は何なのか」を、実際にfreeeを使い倒している立場から本音で書きます。

freee人事労務を使う中小企業の働き方イメージ

freee人事労務の何がそんなに便利なのか

まず、なぜ「社労士いらない」と思うほど便利なのかを整理します。私たちが特に「これは革命的だな」と感じている点は、3つあります。

マスタが1つにまとまっている

これがたぶんいちばんの強みです。

従来の人事労務業務って、給与計算ソフト・勤怠管理ソフト・社会保険手続きソフト・年末調整ソフト…と、目的別に複数のシステムを契約しているのが普通でした。そして従業員情報を全部のシステムに入力し直すという、何のためにシステム化したのかわからない地獄が発生します。

freee人事労務は従業員マスタが1つです。ここに住所・扶養家族・基礎賃金・社会保険情報を入れておけば、給与計算も社会保険手続きも年末調整も、全部このマスタを見て自動で動きます

入社処理を1度やれば、給与・社保・年末調整が全部繋がる。これ、地味なようで業務時間が3分の1くらいに減ります

価格が比較的安い

中小企業(30〜200人)が他社のオールインワンサービスを揃えようとすると、給与・勤怠・労務手続き・年末調整…と複数契約する必要があり、月額10万円超になるケースも珍しくありません。

freeeの場合、1製品で全部入っているので、料金がシンプルかつ予算化しやすいです。価格は事業規模で変動するので公式サイトで確認していただきたいですが、「複数ソフトを契約する場合に比べて安い」というのは間違いありません。

機能が多い・電子申請も自動化

「安いのに機能が多い」って、普通は両立しないんですが、freeeはそれを両立しています。

  • ・給与計算(賞与・退職金含む)
  • ・勤怠管理(PC・スマホ打刻)
  • ・社会保険手続きの電子申請(資格取得・喪失、月変、算定、賞与支払届など)
  • ・年末調整(従業員のスマホ入力で完結)
  • ・マイナンバー管理
  • ・住民税の一括振込ファイル出力
  • ・所得税のe-Taxアップロード

しかも電子申請まで対応しているので、ハローワークや年金事務所に紙の書類を持参する必要が、ほぼなくなりました。これは本当にデカいです。

「社労士いらない」と感じる定型業務トップ5

freeeを使い始めて、「これ、もう社労士に頼まなくてもいいかも」と感じた業務を正直に挙げます。

業務freeeで完結度
給与計算◎ ほぼ自動
入退社の社会保険手続き◎ 電子申請まで自動
年末調整◎ 従業員のスマホ入力で完結
賞与計算◎ ボタン1つ
算定基礎届◎ 自動生成

これ、ほんの10年前まで、社労士事務所が人月で請求していた業務です。それが今、ボタン数回で終わります。

正直に言うと、「定型的な手続きを社労士に丸投げしたい」という理由で顧問契約を続けている会社は、freee人事労務を導入するだけで顧問料の何倍も浮く可能性があります。


それでも社労士に頼んだほうがいい4つの場面

じゃあ社労士は本当にいらないのか?というと、ここからが本題です。

私たち自身がfreeeを使い倒しているからこそ言えるんですが、「freeeで全部解決できる」というのは幻想です。freeeが得意なのは「ルールが決まっていることを正確に実行すること」。逆に「ルールを決める」「例外に対応する」場面は、freeeでは解決できません

① 労使紛争の予防と対応

「残業代を払っていない」「不当解雇だ」「ハラスメントを受けた」と社員から訴えられたとき、freeeは何もしてくれません。

労使紛争の現場で必要なのは、就業規則の解釈、過去の判例の知識、労使の感情の整理、訴訟リスクの読みです。これは100%人間の仕事です。

私たちもこれまで、労使紛争を未然に防ぐための就業規則改定や、すでに揉めている案件の収束を、何度もお手伝いしてきました。ここを甘く見ると、1人の社員に数百万円の和解金を払うことになるケースもあります。

② 法改正の解釈と就業規則改定

毎年のように労働法は改正されます。

たとえば2026年10月の社会保険適用拡大、育児介護休業法改正、最低賃金引き上げ、フリーランス法…。法改正の条文を読んで「うちの会社にどう影響するか」を判断するのは、freeeには無理です。

社労士は条文を読み、過去の通達や判例と照らし合わせて、「御社の就業規則のここをこう変えないとマズい」を具体的に指摘できます。これは経験ベースの仕事で、ソフトウェアでは代替できません。

③ 労基署対応・是正勧告対応

労基署から調査が入ったとき、freeeはあなたを守ってくれません。

労基署の質問にどう答えるか、是正勧告にどう対応するか、追加で何を整備するか。この判断を一手間違えると、書類送検されたり罰金を払うことになります

社労士は労基署対応の経験を積んでいます。最初の電話一本でアドバイスができるかどうかで、その後の展開が大きく変わります。

④ 助成金の申請

助成金は、知っている人だけが取れる仕組みです。

社会保険労務士法人 労務ニュースでは、これまで累計6億円超の助成金申請をサポートしてきました。キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金、業務改善助成金、両立支援等助成金…どれも要件が複雑で、毎年改正されます。

freeeにはこれらを申請する機能はありません(そもそも助成金は外部労力での申請が前提の制度です)。助成金で人件費を取り戻す設計ができるかどうかは、社労士に相談する価値が大いにあります。

経営判断や労務トラブルに向き合うイメージ

freeeを使いつつ、社労士を「賢く」使う方法

私たちのおすすめは、freeeで定型業務を徹底的に効率化しつつ、社労士は「制度設計と例外対応」に絞って使うスタイルです。

定型業務はfreeeに全振り

  • ・給与計算
  • ・入退社の手続き
  • ・年末調整
  • ・算定基礎・月変・賞与支払届

ここは、もはや社労士に頼む時代ではありません。freeeで自動化してください。

社労士には「設計と火消し」を任せる

  • ・就業規則の作成・改定
  • ・労使紛争の予防と対応
  • ・法改正への対応
  • ・労基署対応
  • ・助成金の申請設計

ここは社労士に頼まないとリスクが大きい領域です。逆に言うと、ここに集中して使う前提なら、社労士の顧問料は十分に元が取れます。


まとめ:「社労士不要論」は半分本当、半分間違い

正直に言います。定型的な人事労務業務だけなら、freee人事労務があれば社労士はいらないかもしれません

私たち自身、freeeに何度も助けられているし、お客様にも自信を持っておすすめしています。

ただし、労使紛争、法改正、労基署対応、助成金といった「ルールを作る」「例外に対応する」領域は、ソフトウェアでは絶対に解決できません。ここを甘く見て社労士を全部切ってしまうと、いざというときに数百万円の損失を被るリスクがあります。

私たち労務ニュースが提案するのは、「freeeで定型業務を効率化+社労士は設計と火消しに使う」というハイブリッド型です。これがいちばんコスパが高いと、自分たちが現場で試した結論として、自信を持ってお伝えできます。


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社会保険労務士法人 労務ニュースは、freee認定アドバイザーとして、freee人事労務を活用した中小企業の労務効率化を専門にサポートしています。

オマカセロウムくんでは、freeeでの日常業務代行に加えて、就業規則の改定・労使トラブル対応・助成金申請まで、「freeeで効率化しきれない部分」を一気通貫でカバーします。

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