freee人事労務 vs SmartHR・マネーフォワード|中小企業の選び方と失敗しない判断軸

仕事術

この記事でわかること

  • ・freee人事労務/SmartHR/マネーフォワードの違いをスッキリ整理
  • ・マスタ一元化・価格・多機能・サポートの4軸で見た各製品の強みと弱み
  • ・中小企業30〜200人ならどれを選ぶべきか(freee愛用社労士事務所の見解)
  • ・自社に合うソフトを選ぶ6つの判断軸
  • ・導入・乗り換えでよくある失敗と回避のコツ

「人事労務ソフトを入れようと思って調べたら、freee・SmartHR・マネーフォワードが出てきたんですけど、結局どれがいいんですか?」

これ、めちゃくちゃ多いご相談です。

正直、ググっても「どれもいい」みたいな比較記事ばかりで、参考にならないんですよね。

社会保険労務士法人 労務ニュースは、実際にfreee人事労務をメインで使っている社労士事務所です。お客様のサポートでもfreeeを推奨しているので、当然freee寄りの目線が入ります。

ただ、SmartHRもマネーフォワードも触ったことはあります。各社それぞれ得意領域があるので、「中小企業30〜200人の場合、なぜfreeeがおすすめなのか」を客観的な事実ベースで書いていきます。

クラウド人事労務ソフトの選び方イメージ

まず3製品の立ち位置を整理する

3つの製品は、見た目は似ていますが設計思想がまったく違います。ここを理解しておかないと、選び方を間違えます。

製品立ち位置給与計算勤怠管理労務手続き
freee人事労務オールインワンありありあり
SmartHR労務手続+タレマネが軸オプション(2025年〜)オプション(2025年〜)あり
マネーフォワードサービス単位・従量課金あり(サービス単位)あり(サービス単位)あり(サービス単位)

ポイントは、SmartHRは給与計算・勤怠管理が近年追加されたオプション機能で主軸は労務手続きとタレントマネジメントであること、そしてマネーフォワードは給与・勤怠・人事管理がサービス単位に分かれていて、使うサービスが増えるほど費用と管理点が増えていくことです。


freee人事労務:給与・勤怠・手続きが1製品で全部入り

freee人事労務は、1つの契約で給与計算・勤怠管理・労務手続き・年末調整・マイナンバー管理までを一体的に扱えるオールインワン型です(利用できる機能の範囲はプランによって異なります)。中小企業にとって、この一体感が強みです。

SmartHR:労務手続き+タレントマネジメントが主軸、給与・勤怠はオプション対応

SmartHRは労務手続き(入退社・年末調整・電子申請など)と、タレントマネジメント(人事評価・配置・サーベイ)が中核のサービスです。給与計算・勤怠管理はいずれも2025年に追加された有料オプションで、既存の給与・勤怠ソフトと連携させて使う運用も引き続き選べます。

マネーフォワードクラウド:会計連携の強さ

マネーフォワードは、会計ソフトとの連携の強さが最大の武器です。給与・勤怠・人事管理(社会保険)はサービス単位に分かれており、法人向けクラウドプランでは複数サービスが基本料金に含まれる形で提供され、そこに利用するサービスと人数に応じた従量課金が加わる料金構造です。

比較軸①:マスタ一元化の構造

中小企業の人事労務で、いちばん時間を食うのは「同じ情報を複数のシステムに入力する」作業です。だからこそ、マスタが1つにまとまっているかどうかは死活問題です。

freee:1つのマスタで全部繋がる

freeeは従業員マスタが1つ。住所・扶養・基礎賃金・社会保険情報を1度入れれば、給与・勤怠・社保手続き・年末調整に自動連携します。

「マスタが1つにまとまってる」という強みは、業務時間に直撃します。実際に使ってみて、これが一番の便利ポイントです。

SmartHR:労務系は一元化/給与・勤怠はオプションで拡張可能

SmartHRも従業員マスタは一元化されています。給与計算・勤怠管理はオプション機能として追加でき、既存の給与・勤怠ソフトを使い続けて連携させる運用も可能です。オプションを足すほど設定項目や確認すべき契約が増えるため、どこまで自社でまとめるかは導入前に整理しておいた方がいいでしょう。

マネーフォワード:モジュールごとに分かれている

マネーフォワードはID連携で繋がっていますが、設計思想が「製品の集合体」です。給与・勤怠・人事管理がそれぞれ別モジュールなので、freeeほどシームレスではありません。

マスタ一元化の評価:freee ◎ /SmartHR ○(給与・勤怠はオプション追加)/マネーフォワード △

比較軸②:価格(中小企業30〜200人の場合)

価格は事業規模やプランで変動するので、最終的には各社公式サイトでの確認が必要です。ここでは「全体感」をお伝えします。

freee:1製品で完結するので分かりやすい

freeeは1製品で全部入っているため、料金体系がシンプルです。基本料金+従業員1人あたりの従量課金という形で、予算化しやすいのが特徴です。

freee人事労務 公式料金

SmartHR:問い合わせベース、機能も豊富で中〜高位

SmartHRは料金が問い合わせベースで、公開されていないプランもあります。タレントマネジメント機能に加えて給与計算・勤怠管理もオプション扱いのため、必要な機能を積み上げていくとコストが膨らみやすい料金構造です。トータルコストで考える必要があります。

SmartHR 公式料金

マネーフォワード:サービス単位の従量課金

マネーフォワードは「給与」「人事管理(社会保険)」「勤怠」がサービス単位に分かれており、法人向けクラウドプランでは複数サービスが基本料金に含まれる形で提供され、そこに利用するサービスと人数に応じた従量課金が加わります。会計ソフトと一緒に使う前提なら効率的ですが、利用するサービスが増えるほど費用と管理する契約点数が増えていく点は意識しておきたいところです。

マネーフォワードクラウド給与 公式料金

価格の評価(30〜200人で人事労務メインの場合):freee ◎ /SmartHR △(給与・勤怠をオプション追加すると増額)/マネーフォワード △(利用サービス数に応じて費用が増える)

価格を比較するときは、月額表示の金額だけで判断せず、契約本数・オプション追加でどこまで増えるか・初期設定や移行にかかる工数まで含めた総額感で見ることをおすすめします。表示価格だけを見て安いと判断しても、複数契約や追加オプションで結果的に総コストが変わってくるケースがあるためです。

コスト比較と意思決定のイメージ

比較軸③:多機能性

「多機能」と一口に言っても、人事労務で必要な機能はいろいろあります。代表的な6機能で比較してみました。

機能freeeSmartHRマネーフォワード
給与計算○(オプション)○(サービス単位)
勤怠管理○(オプション・2025年〜)○(サービス単位)
電子申請(e-Gov)
年末調整
マイナンバー管理
人事評価・タレマネ

freeeは給与計算・勤怠管理を含む実務系を1製品にまとめて提供しています(利用できる機能はプランによって異なります)。SmartHRは「労務手続き+タレントマネジメント」が主軸で、給与計算・勤怠管理はオプションで追加する形です。マネーフォワードは各サービスを組み合わせて全部できる構図で、使うサービス数に応じて費用が変わります。

比較軸④:サポート体制と乗り換えやすさ

価格や機能だけでなく、導入後に困ったときにどれだけ頼れるか、将来別のソフトへ乗り換えるとしたらどれくらい大変か、という視点も見落とせません。

サポート面で見るポイント

サポートの提供形態(チャット・電話・メール・専任担当の有無)や対応時間は、プランやサービスの改定でたびたび変わります。契約前に「どのプランなら、どこまでサポートしてもらえるか」を公式サイトや営業担当に確認してください。特に給与計算はミスが従業員の信頼に直結する業務なので、困ったときにすぐ相談できる体制かどうかは重要な判断材料になります。

乗り換え(他社からの移行)のしやすさ

すでに別の給与ソフトや勤怠管理システムを使っている会社が乗り換える場合、従業員マスタ・給与台帳・年末調整データの移行作業が発生します。移行のしやすさはデータ形式やサポートの手厚さに左右されるため、これも各社に個別確認が必要な項目です。「移行時のデータ整備にどれくらい工数がかかりそうか」を導入前に見積もっておくと、後々の負担を減らせます。

自社に合うソフトを選ぶときの判断軸

3製品を比較してきましたが、最終的にどれを選ぶかは自社の状況次第です。次の6つの視点でチェックしてみてください。

  • 給与計算の自動化:勤怠データや保険料率の変更を、どこまで自動で反映してくれるか
  • 社保・雇用保険手続きの電子申請:入退社や算定基礎届などの手続きを、システム上で完結できるか
  • 勤怠管理との連携:打刻データが給与計算に自動反映されるか、それとも手作業での取り込みが必要か
  • 料金体系の考え方:契約が1本で完結するか、複数モジュールを組み合わせる前提か。総額で見たときにどうか
  • サポート体制:困ったときに相談できる窓口があるか、対応の手厚さはプランによってどう変わるか
  • 乗り換えやすさ:将来的に別のソフトへ移行する可能性がある場合、データを持ち出しやすい形式かどうか

この6軸で自社の優先順位を整理すると、単純な機能比較表だけでは見えてこない「うちに合うかどうか」が見えてきます。

中小企業30〜200人ならfreeeが最適解な理由

ここまで4軸で比較してきましたが、中小企業30〜200人で人事労務をメインに使うなら、freee人事労務が最適解だと考えています。理由は4つあります。

① オプションやサービスを積み上げるほど、管理点が増えにくい

中小企業でありがちなのが、必要な機能をオプションやサービス単位で追加していくうちに、契約管理や設定箇所がじわじわ増えてしまうパターンです。SmartHRは給与計算・勤怠管理をオプションで追加でき、マネーフォワードはサービスを組み合わせて使う設計のため、使う範囲が広がるほど管理点は増えていきます。

freeeは主要機能が1契約にまとまっているため、必要な範囲であれば追加のオプション選定に悩む場面が少なく、契約管理もシンプルです。

② 価格が予測可能

freeeは料金が公開されており、人数で見積もりが立てやすいです。中小企業の経営者が予算を組む上で、これが地味にデカいんですよね。

③ 中小企業に必要な機能が「ちょうど揃ってる」

タレントマネジメント機能(人事評価・配置最適化・サーベイ)は、200人未満の会社ではそこまで必要ないケースが多いです。SmartHRの強みであるタレマネが活きるのは、200人を超えてからという印象です。

逆に、給与計算・勤怠・労務手続きは全社員で使う日常業務なので、ここがオールインワンなのが効きます。

④ 将来的な乗り換えも比較的シンプル

契約や連携が1つにまとまっていると、仮に将来別のソフトへ移行するとなった場合も、データの持ち出し元が1か所で済みます。複数モジュールに分散していると、移行時にそれぞれの契約・データ形式を個別に確認する手間が増えます。

導入・乗り換えでよくある失敗

人事労務ソフトの選定・導入でつまずくパターンには共通点があります。代表的な5つを挙げます。

  • 価格の安さだけで選び、後から機能不足に気づく:契約後に「必要な機能が別料金だった」と分かるケースは少なくありません。契約前に必要な機能を洗い出しておくことが大切です
  • 移行時のマスタデータ整備を甘く見る:従業員情報や賃金台帳の整備が終わらないまま導入日を迎え、結局手作業が残ってしまうパターンです
  • 過去データの移行方法を確認していない:年末調整データや給与台帳の履歴をどう引き継ぐか、事前に確認せずに契約すると、移行直後の業務が混乱します
  • 運用担当を決めずに導入する:情報システム担当・人事担当・顧問社労士のうち誰が運用の中心になるかを決めないまま導入すると、設定や運用ルールが宙に浮きます
  • 無料トライアル期間の印象だけで判断する:トライアルは従業員数が少ない状態で試すことが多く、本番運用(全従業員・繁忙期)で見えてくる不便に気づきにくい面があります

いずれも、導入前に「誰が」「どこまで」「どう移行するか」を決めておけば防げる失敗です。


どんな会社ならSmartHR・マネーフォワードがいいか

念のため公平に書いておきます。freee以外がベターな会社もあります。重視するポイント別に大まかな目安をまとめました。

重視するポイントおすすめ寄りの製品
1契約でシンプルに完結させたいfreee人事労務
200人超で人事評価・組織サーベイを本格運用したいSmartHR
すでにマネーフォワードクラウド会計を使っているマネーフォワードクラウド
給与計算ソフトの運用がすでに確立しているSmartHR
複雑な手当計算・複数の賃金規程に対応したいマネーフォワードクラウド
予算を人数ベースで見積もりたいfreee人事労務

SmartHRが向いている会社

  • ・従業員数200〜1000人規模
  • ・人事評価・組織サーベイ・配置最適化に本気で取り組みたい
  • ・給与計算ソフトはすでに別ソフトで運用が確立している
  • ・ペーパーレス化を最優先したい

マネーフォワードが向いている会社

  • ・すでにマネーフォワードクラウド会計を使っている
  • ・給与計算の柔軟性(複雑な手当・複数賃金規程)が必要
  • ・顧問税理士がマネーフォワード推奨

まとめ:迷ったらfreee人事労務でほぼ正解

中小企業30〜200人の人事労務ソフトとしては、freee人事労務がほぼ間違いない選択です。

  • ・マスタ一元化で業務時間が劇的に減る
  • ・1製品で完結するので追加コストが発生しにくい
  • ・中小企業に必要な機能が「ちょうど揃っている」
  • ・迷ったときは「6つの判断軸」に自社を当てはめて考えると選びやすい

私たち労務ニュースはfreee認定アドバイザーとして、お客様の人事労務をfreeeで効率化するサポートを専門にしています。実際に毎日freeeを使っている立場として、「もうこれ以外の選択肢はあまり考えにくい」というのが正直な感想です。

「うちの規模ならどれを選べばいい?」「導入したいけど運用に自信がない」というご相談、よくいただきます。導入前のご相談からお気軽にどうぞ。


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社会保険労務士法人 労務ニュースは、freee認定アドバイザーとして、freee人事労務を活用した中小企業の労務効率化を専門にサポートしています。

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