この記事でわかること
- ・2026年の最低賃金がいくらになりそうか(東京・千葉の予測あり)
- ・中小企業にどんな影響があるのか
- ・今のうちにやっておくべき具体的な対策
2025年の振り返り~全国平均1,121円の時代に
まず、2025年の最低賃金を振り返っておきましょう。
2025年10月の改定で、全国加重平均は1,121円になりました。前年から66円アップで、これは過去最大の引き上げ幅です。しかも、全都道府県で初めて1,000円を突破しました。
主要エリアの金額はこんな感じです。
| 都道府県 | 2025年 | 前年からの引き上げ額 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,226円 | +63円 |
| 神奈川県 | 1,225円 | +63円 |
| 千葉県 | 1,140円 | +64円 |
| 大阪府 | 1,177円 | +63円 |
| 全国平均 | 1,121円 | +66円 |
「毎年上がるのは知ってたけど、ここまで一気に来るとは思わなかった」——そんな声を、私たちの顧問先からもたくさんいただきました。
で、気になるのは「来年はどうなるの?」ですよね。
2026年の最低賃金予測~東京・千葉はいくらになる?
結論から言うと、2026年の全国平均は1,200円前後になる可能性が高いです。
なぜかというと、政府が「2020年代に全国平均1,500円」という目標を掲げているからです。政府は最低賃金の継続的な引き上げ方針も示しており、今後も一定のペースで引き上げが続く可能性が高いと見られています。
逆算するとこうなる
2025年の全国平均1,121円を、2029年に1,500円にするには、あと4年で379円の引き上げが必要です。
単純計算で毎年約95円、年率7%超のペースで上げ続けないと間に合いません。2025年の引き上げ幅が66円だったことを考えると、2026年はそれ以上の引き上げ幅になるのはほぼ確実です。
東京・千葉の予測
これをもとに予測すると、2026年10月の改定ではこのあたりが見込まれます。
| 都道府県 | 2025年 | 2026年予測 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,226円 | 1,300円前後 |
| 千葉県 | 1,140円 | 1,210〜1,220円 |
| 全国平均 | 1,121円 | 1,190〜1,210円 |
東京はいよいよ1,300円台に突入する可能性があります。千葉県も1,200円を超えてくるでしょう。
春闘の動きも追い風に
2026年の春闘では、企業全体として賃上げの動きが継続しています。実際の賃上げ率も5%前後の高い水準が続く可能性があると見られており、2025年と同様に高い賃上げが続く見通しです。
春闘で大手企業の賃上げが進めば、最低賃金の議論にも当然影響します。「大手は上がってるのに最低賃金はこのまま?」という流れになるわけです。
正式な決定は2026年7月の中央最低賃金審議会の議論を経て、10月に適用されます。ただ、方向性はもう見えていると言っていいでしょう。
中小企業への影響~人件費倒産が急増中
「上がるのはわかった。で、うちの会社は大丈夫なの?」
これが一番気になるところですよね。正直に言って、楽観できる状況ではありません。
人件費倒産が3年で22倍
人件費の高騰を背景とした倒産も増加傾向にあると言われています。人手不足や賃上げ圧力の影響で、企業経営への負担は年々大きくなっています。
中小企業の中には事業継続への不安を感じている企業も少なくありません。人件費の上昇や人手不足を背景に、経営環境の厳しさを指摘する声も増えています。
価格転嫁ができていない
問題の根っこは、賃上げ分を売価に転嫁できていないことです。特に労務費の価格転嫁は、原材料費に比べて進みにくい傾向にあります。そのため、賃上げ分を利益で吸収しきれない企業が増えています。
社会保険の適用拡大との「ダブルインパクト」
さらに厳しいのが、最低賃金の引き上げと社会保険の適用拡大が同時に進行していること。パート・アルバイトの社会保険加入が進むと、会社負担の保険料も増えます。
賃金アップ+保険料アップのダブルパンチは、特に人件費比率の高いサービス業・小売業・飲食業にとって深刻な問題です。
今からやるべき3つの対策
「じゃあどうすればいいの?」——ここからが本題です。
10月の改定を待ってから慌てるのではなく、今のうちに準備しておくことが大切です。
① 自社の賃金を棚卸しする
まずは現状把握です。意外とやっていない会社が多いんですよね。
- 全従業員の時給換算額を計算する(月給者も含めて)
- 最低賃金ギリギリの社員が何人いるか把握する
- 最低賃金が上がったとき、玉突きで他の社員の賃金も上げる必要があるか確認する
月給制の社員も要注意です。「月給÷月の所定労働時間」で計算した時給が最低賃金を下回っていたら、それは違法です。毎年10月にこれで引っかかる会社、けっこうあります。
② 業務改善助成金を活用する
知らない方が多いんですが、最低賃金の引き上げに対応するための助成金があります。
業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を30円以上引き上げ、生産性向上のための設備投資を行った場合に、その費用の一部を助成してくれる制度です。
- ・最大600万円の助成
- ・制度拡充や対象設備の見直しが進み、活用しやすい助成金として注目
- ・POSレジ、業務用ソフト、機械設備など幅広い投資が対象
- ・物価高騰の影響を受けている場合は、パソコンや車両も対象に
どうせ賃金を上げなきゃいけないなら、助成金をもらいながら設備投資もするのが賢い選択です。
③ 賃金テーブルを見直す
最低賃金が上がるたびに場当たり的に調整していると、社内の賃金バランスが崩れます。
「新人と3年目の給料がほぼ同じ」「パートさんのほうが時給換算で高い」——こういう逆転現象が起きると、既存社員のモチベーションがガタ落ちします。
今のうちに、3年先(最低賃金1,500円時代)を見据えた賃金テーブルを作っておくことをおすすめします。等級ごとの時給レンジを決めておけば、毎年の改定もスムーズです。
まとめ
最後に、ポイントを整理しておきます。
- 2026年の最低賃金は全国平均1,200円前後、東京は1,300円台、千葉は1,210〜1,220円が予測される
- 政府目標「2029年までに1,500円」に向けて、今後も年7%超の引き上げが続く見通し
- 人件費倒産は3年で22倍に急増。価格転嫁と社会保険適用拡大のダブルインパクトに要注意
- 今のうちに賃金の棚卸し・助成金活用・賃金テーブルの見直しを進めておく
最低賃金の引き上げは、もう「毎年ちょっとずつ上がる」レベルの話ではなくなっています。経営の根幹に関わるテーマとして、早めに手を打っておくことが大事です。
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