社労士が教える年次有給休暇の正しいルールと企業の対応策
はじめに:パートやアルバイトにも「有給」はある?
「パートでも有給休暇はもらえるんですか?」
「アルバイトは何日から有給がつくの?」
このような質問は、店舗型ビジネス(美容院・歯科・保育園・介護施設など)を運営する経営者や店長のもとによく寄せられます。 実はこの「有給とは?」というテーマ、働く人だけでなく、雇用主にとっても誤解が生じやすい領域です。
本記事では、社会保険労務士法人 労務ニュースが、厚生労働省のガイドライン(労働基準法第39条)に基づき、
- ・パート・アルバイトの有給休暇の仕組み(比例付与)
- ・「いつから」「何日もらえる」のか
- ・時間単位や半日単位の導入ルール
- ・企業が注意すべき運用ポイント
をわかりやすく解説します。
1. 「有給(年次有給休暇)」とは?
「有給」とは正式には年次有給休暇(年休)といい、労働基準法第39条で定められたすべての労働者に共通する権利です。 正社員だけでなく、パートやアルバイト、契約社員など雇用形態を問わず適用されます。
▶️ 法的根拠(労働基準法第39条)
使用者は、6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日の年次有給休暇を与えなければならない。 (出典:厚生労働省「労働基準法」)
つまり、 「6か月以上働き」「そのうち8割以上出勤していれば」→ 有給休暇が発生します。
2. パートやアルバイトにも有給休暇はある!(比例付与の仕組み)
結論から言えば、パートタイマーやアルバイトにも年休は発生します。
ただし、週の所定労働日数・労働時間が正社員より少ない場合は、「比例付与」といって、働く日数に応じて付与日数が調整される(少なくなる)仕組みになっています。
▶️ パート・アルバイトの有給休暇の日数(比例付与の対象)
週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週4日以下勤務の場合は以下の日数が付与されます。
| 週の所定労働日数 | 年間の所定労働日数 | 6か月経過後の年次有給休暇日数 |
|---|---|---|
| 5日以上 | 約217日以上 | 10日(通常通り) |
| 4日勤務 | 約169~216日 | 7日 |
| 3日勤務 | 約121~168日 | 5日 |
| 2日勤務 | 約73~120日 | 3日 |
| 1日勤務 | 約48~72日 | 1日 |
このように、パートの有給休暇日数や「いつから発生するか」は、出勤日数で判断できます。 つまり「短時間労働者だから有給が全くない」というのは誤りですが、「正社員と同じ日数もらえるわけではない(勤務日数に比例する)」という点がポイントです。
3. 年休の取得単位(1日・半日・時間)は会社が選べる
年休(年次有給休暇)とは、原則として「1日単位」で取得するものです。 しかし、柔軟な働き方のために「半日」や「時間単位」での取得も可能とされています。
重要なのは、これらは「会社が制度として導入するかを選べる(会社のルールで決まる)」という点です。
▶️ ① 半日単位の有給 午前休・午後休といった使い方です。 実は、会社には半日単位での付与義務はありません。しかし、従業員からの希望があり会社が同意すれば取得させることが可能です。 多くの企業では、利便性を高めるために就業規則で「半日単位も可」と定めて運用しています。
▶️ ② 時間単位の有給(要・労使協定) 「通院で1時間だけ抜けたい」といった使い方ができる制度です。 これも会社の義務ではなく、導入するかは会社の判断になります。 導入する場合は、会社と従業員代表との間で「労使協定」を結ぶ必要があり、取得できるのは「年5日分」が限度と決められています。
この仕組みをうまく取り入れると、パートやアルバイトの定着率が上がるケースも多いですが、導入には手続きが必要であることを覚えておきましょう。
4. 経営者が注意すべき「有給対応」の落とし穴
経営者や店長が現場で混乱しやすいのは、「付与日数の計算」や「消化の管理」です。
❌ よくある誤解
- ・「パートだから有給はない」は違法
- ・「シフト制だから計算が難しい」と放置するのもNG
- ・「有給申請を出してこない=不要」とみなすのも誤り
また、2019年の働き方改革関連法により、 年休が10日以上付与される労働者には、年5日分の有給を会社が使用させる義務があります。 (厚生労働省「年5日の時季指定義務について」)
これは、パートやアルバイトでも比例付与で「10日以上」の年休が発生する場合(例:週3日勤務で勤続5年半以上など)は対象となるため注意が必要です。
5. 実務上のトラブル事例
例①:「パートさんに有給があるなんて知らなかった」
→ 労働基準監督署の是正勧告対象になる可能性があります。
例②:「シフトが変わるから有給が取れない」
→ 取得妨害(不利益取扱い)にあたるリスクがあります。
例③:「時間単位で有給を使いたいと言われた」
→ 労使協定を結んでいない場合は、「うちは1日単位(または半日単位)での取得がルールです」と断っても法的に問題ありません。
6. そこで社労士の出番:「制度の設計」と「運用の仕組み化」
社会保険労務士は、有給休暇に関する法律・運用・制度設計における専門家です。 特に労務ニュースでは、単なる規則作りに留まらず、「現場で機能する運用設計」を重視しています。
社労士がサポートできること
- ・比例付与の正しい日数計算
- ・「時間単位年休」導入のための労使協定書の作成
- ・半日有給を認めるかどうかのルール作り
- ・パート・アルバイトの勤怠システム連携
- ・従業員への説明資料・Q&Aテンプレート作成
7. 「オマカセロウムくん」で有給運用を〝丸ごとアウトソーシング〟
労務ニュースの独自サービス「オマカセロウムくん」では、 有給休暇の制度設計+実務運用+従業員対応窓口まで一気通貫でサポートします。
特徴① 従業員対応をLINEで完結 「パートの有給 日数を教えて」「バイトの有給休暇 いつから?」 といった従業員からの質問を社労士が直接LINEで回答。 第三者だからこそ、社員も気軽に聞け、経営者のストレスを軽減します。
特徴② 勤怠と有給の“整合性”を自動化 システム導入により、打刻漏れや休暇申請を検知・修正。年次有給休暇の残数が常に正確に。 これにより「有給消化率」も把握でき、労働基準法違反のリスクを防ぎます。
特徴③ 信頼関係の維持 「有給を取りたい」と言い出しにくい職場ほど、離職率が高くなります。 適正なルール運用と第三者対応で、従業員が安心して働ける環境を整備します。
8. 経営者視点で考える「有給管理」=リスク対策
経営者にとって、有給管理は“義務”であり“リスク管理”でもある時代です。 未対応のままだと、
- ・労基署の是正指導
- ・SNSでの内部告発リスク
- ・離職・不満の拡大
につながりかねません。 「どうせ対応するなら、強みある社労士に任せた方が安心」 ――そう考える経営者が急増しています。
9. まとめ:有給は“義務”であり、“信頼”をつくる仕組み
- ・年次有給休暇(年休)は、パート・アルバイトも対象。
- ・勤務日数に応じて日数が決まる「比例付与」という仕組みがある。
- ・「時間単位」「半日単位」の導入は会社の選択制(時間単位は協定が必要)。
- ・企業は付与・管理・運用を誤ると法違反リスクがある。
- ・オマカセロウムくんを導入すれば、有給の仕組み化と従業員対応を丸ごと社労士に任せられる。
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