振り返る、改善する、アクションする、そして合意を形成する。組織を作るには会議がとても重要です。
会議にはいくつか目的や種類があると思いますが、今回は当社で実施している「もっと良くなる会議」について記載します。
当社では週1回「もっと良くなる会議」と称して「会社をもっと良くしよう」という漠然としたテーマで会議を行っています。
これとは別に、業務進捗を確認するための会議も実施していますが、それよりも「もっと良くなる会議」のほうが重要だと思っています。
この会議は
「会社を良くしていくには、私一人の力じゃもう不可能」
「メンバーの一人一人が自発的、主体的に動いて欲しい」
「そもそも現場で起きていることを全部把握することはできない」
という悩みから「疲れたから、業務を各メンバーにぶん投げてやろう」という思惑をもって開始したものです。
後ろ向きなのか、前向きなのかわかりませんが、とにかく「自分一人の力ではもう無理♡」と思ったことを覚えています。
ちなみに、これ以前もいろいろ会議を実施していましたが「やばい、会議が多すぎて時間の無駄かも」なんて思って、一回全部やめた時期もあります。そして現場は混乱した気がします(笑)
結果として
「なるべく会議を少なく、短く」
「でも効果的に」
「報告よりも新しい取り組みを」
「社員の成長にもつながるものを」
という思惑を、ある程度は実現できたんじゃないかと思っています。
改善の場としても教育の場としても、非常に機能しているというのが実感です。
下記に流れを書きますので、もしよかったらご参考まで。
①目的と目標の設定
目的と目標の設定は必須です。じゃないと、それぞれが別々の道に進みます。それは出会いと別れです。
やはり同じ船に乗るわけですから、目的は重要なのです。
目的はたくさんあってもいいと個人的には思います。最低限欲しいのは、下記の2点です。
・目指すべきビジョン
これがないと、何を目指して改善するのかわからなくなります。
・売上目標
売上度外視の議論が始まると潰れてしまいます。
そのほかに足したいものがあれば全然足してください。だって、守るべきものってたくさんあってもいいと思うんです。
②先週、良くなったことを発表
一週間働いて「良くなったこと」をそれぞれ発表してもらっています。
一週間で何も良くなっていないなら、同じ仕事しかできてないってことですよね。うちみたいな弱小企業は、社員に成長してもらわないと死んでしまいます。時代にも取り残されて、消滅します。
なので、それぞれが「何を改善したのか」を教えてもらっています。
ここで重要なのは5W1Hです。
- ・なぜそれを改善したのか
- ・誰がどうやったのか
- ・いつやって、どうなったのか
みたいなことを具体的に聞いています。
抽象的なものが具体的になると、再現性が増します。次回も応用が利くようになるはずです。
自分が何を目的に、どうやって業務を改善したのか。この積み重ねが自分にとっても会社にとっても成長になるはずです。
③先週、気が付いた、または継続している課題を発表
④来週、良くすることを発表
③と④は一緒にやっても別々でも大丈夫です。「問題があるから改善します」という話なので、③は重要ではないと思います。
メンバーによっては③を別途発表すると、とにかく問題点ばかり挙げてきて話がどんどん後ろ向きになる場合があります。
「会議をやると、何か後ろ向きになるんだよな〜」という場合は、③を飛ばして④だけやってください。
ポイントは「何が問題か」よりも「何をすれば良くなるか」です。
課題の抽出よりも、次につながるアクションが重要です。100個課題を挙げても、明日からの行動が変わらなければ何も前に進みません。
逆に、1個でも行動が変われば、確実に会社は前へ向かいます。
ここでも5W1Hを明確に、かつ「明日からできる具体的なアクション」に落としていきましょう。
「〜に気を付ける」みたいなものでは、何も変わりません。「これをやる!」というアクションが未来を変えます。
大げさな企画やシステムを利用したものではなく、すぐにできることのほうが改善効果は高くなります。
ミスが多いなら「指差し確認をする」
漏れが多いなら「一覧を作って、毎週チェックする」
など、即時実施できるものの積み重ねを実行することに価値があると思います。
④の中で、個人が実施できることを超えてくるケースもあります。その場合でも、担当者を決めて進めていくべきです。担当者を決めないと物事は進みません。
なお、稀に①の目的に沿わないものが発表されるケースもあります。その際は、ビシッと「目的に沿わないから却下」と言ったほうが良いでしょう。
⑤記録しておく
翌週に「先週決めたことが実施できたのか」という振り返りも大事です。次の会議は④の確認から始めましょう。
よくあるのが、決めたことを実行しないで毎週違うアクションを設定してしまうことです。
④で決めたことは
やっぱりやめるのか、今週もう一回チャレンジするのかを決めましょう。
⑥組織としての懸案事項は、さらに上部の会議へ提出
開催する会議体では決められない課題もあります。その場合は、指揮命令系統が上の会議に提出して検討したほうが良いです。せっかく出た課題なので、もう一段上の組織で考えてみましょう。
組織が変わる「もっと良くなる会議」は参加者一人一人が改善事項、次のアクションを決めることに価値があります。
毎日の改善の積み重ねが今なのです。
経営者が1人で3つ改善するより、小さいことでも参加者6名が1個ずつ、つまり6個の改善を進めるほうが会社は前へと進みます。
会社の前進は、参加者それぞれが決めた改善事項=成長によって実現されるのです。
自律的に回っていく組織を目指す第一歩として「もっと良くなる会議」を実施してみてください!
