「やってみなはれ」
――これはパナソニックの創業者・松下幸之助がよく口にしていた言葉です。
とにかく考えてばかりいないで、まずやってみろ。そうすれば、失敗しても必ず何かが残る。やらなければゼロのまま。
松下幸之助が繰り返し口にしたこの言葉は、考えてばかりいないでまず動け、というシンプルながら力強い教えです。
行動しなければ何もわからない
組織にとって一番の損失は「チャレンジしないこと」です。人は新しいことに挑戦して、失敗して、そこから学んで成長します。動かなければ、わからないこともわからず、成長に必要な時間をどんどん失ってしまいます。
一歩踏み出せば、失敗しても「ここが課題だったのか」と理解し、必ず昨日より前に進めます。だから「やってみなはれ」が大事なのです。
海軍軍人・山本五十六も、人材育成についてこう提言しました。
「言って聞かせて、やってみせて、させてみせ」
人は行動を通してしか学べないという真理は、松下幸之助の言葉と共通しています。
組織に必要な空気感
では、どうすれば「やってみなはれ」が本当に機能するのか。
それは組織の空気づくりにかかっています。
●前向きな失敗に寛容であること
挑戦を非難した瞬間に、心理的安全性は消えます。まずは挑戦したことを称え「じゃあ次はどうしようか」と一緒に考えることが大事です。
●挑戦そのものを称賛すること
結果が出たかどうかよりも、一歩踏み出したことを評価する。これが「挑戦する」を当たり前にします。
●改善を続けること
失敗して終わりにせず、どうすればもっと良くなるかを考え続ける。「挑戦した」という事実が組織の力へと変わっていきます。
使ってみる精神
大変に変化の激しい時代です。私たちが直面している世界は、変化しまくっています。新しいシステム、AIの登場、法律の改正。どれも待ってはくれません。だからこそ必要なのは、「やってみなはれ」の精神です。
AIや新しいシステムが次々と生まれる時代に「完全に理解してから使おう」と構えていたら確実に出遅れます。まず触ってみる、使ってみる。その中で「あ、ここがわからない」「ここが便利だ」という気づきが生まれます。
最初から完璧に理解できる人はいません。大事なのは、一歩踏み出して「体験を通じて理解する」ことです。これもまた「やってみなはれ」です。
「まず触ってみる」「まず使ってみる」という姿勢も大事にしましょう。
リスクヘッジを忘れない
もちろん、なんでも無鉄砲にやればいいわけではありません。ほとんどの失敗は取り返せますが、大きな金銭的損失や人材の流出だけは取り返せません。そこだけ冷静に見極めておけば、ほとんどの挑戦は学びになります。
まとめ
- 変化の時代に必要なのは「やってみなはれ」の精神
- 行動しなければ何もわからず、挑戦しないことが最大の損失
- 組織に必要なのは、挑戦を非難せず称賛し、改善を続ける空気
- 新しい仕組みは、使ってみることで学びが始まる
- 大きなリスクだけ避けつつ、一歩を踏み出すことが成長の原動力
会社を「やってみなはれ」の空気で満たして、挑戦が自然に生まれる場所にしていきましょう!
