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ちょっとした言い方の違いで、すれ違ったりするのが人間だよね

仕事術

はじめに

人は不思議なもので、論理よりもまず感情で判断してしまいます。理屈よりも、心や感情が行動を左右します。

コミュニケーションにおける表現の重要性

同じ内容を伝えるとしても、表情ひとつで不快に感じたり、逆に嬉しくなったりするように、表現ひとつで相手の受け取り方がプラスにもマイナスにも変わるのです。

せっかく何かを実践するなら、相手にプラスの感情を抱いていただけるような言葉選びをすることが、あらゆるシーンでの円滑なコミュニケーションを実現する鍵となります。

本稿の目的

言葉の表現ひとつで、自分の印象は左右されます。得することもあれば、損することもある。この現実を踏まえると、日頃のご自身の表現を見直すことは極めて有益です。
今回は参考事例をいくつか集めました。良い表現があればぜひ取り入れていただき、より良いコミュニケーションの実現にお役立ていただければと思います。

1. 接客シーンにおける表現の工夫

お待たせしたときの表現について

・従来の表現:
「お待たせしてすみません」
 →謝罪の意を強調するあまり、どうしてもネガティブな印象を与えてしまいます。

・改善例:
「お待ちくださりありがとうございます」
 →感謝の意を前面に出すことで、お客様は待ったこと自体に価値を感じ、全体の体験がプラスへと変わります。

カスタマーサポートでの対応

・従来の表現:
「問題は解決済みです」
 →状況報告のみでは、ユーザーに安心感が伝わりません。

・改善例:
「お客様にはご迷惑をおかけしましたが、現在問題は解決済みとなっております。何かご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお尋ねください」
 →丁寧な説明とフォローアップがユーザーの不安を和らげ、信頼回復に寄与します。

2. ビジネスコミュニケーションにおける言葉の選択

電子メールでのお願い

・従来の表現:
「添付ファイルをご確認ください」
 →指示的な印象があり、受け手に負担感を与えかねません。

・改善例:
「お手数ですが、添付ファイルをご確認いただけると幸いです」
 →相手への配慮と感謝の念を込めることで、柔らかく心地よい印象を生み出します。

社内連絡・報告について

・従来の表現:
「このプロジェクトは予定通り進んでいます」
 →一方的な報告のみでは、組織全体の努力や感謝の気持ちが十分に伝わりません。

・改善例:
「皆さんのご協力のおかげで、このプロジェクトは順調に進んでおります。引き続きご協力をお願いいたします」
 →成果の共有とともに感謝の意を示すことで、チームの士気が向上します。

プレゼンテーションや提案時の表現

・従来の表現:
「この案を採用してください」
 →指示的な言い回しは相手に選択の余地を与えず、場合によっては反発を招く恐れがあります。

・改善例:
「この案には〜というメリットがあり、貴社にとって有益かと存じます。ご検討いただければ幸いです」
 →提案内容の魅力を強調しつつ相手の判断を尊重することで、より建設的な対話が促されます。

3. ウェブサイトやデジタルコンテンツにおける表現の工夫

エラーメッセージの改善

・従来の表現:
「エラーが発生しました。再試行してください」
 →ユーザーに冷たい印象を与え、ストレスを感じさせることが懸念されます。

・改善例:
「申し訳ございません。現在、システムに一時的な不具合が発生しております。少々お待ちいただければ幸いです」
 →謝罪と具体的な対応策の提示がユーザーの不安を和らげ、信頼へとつながります。

広告・キャッチコピーの工夫

・従来の表現:
「今だけ限定!」
 →陳腐化したフレーズでは、印象に残りにくいという問題があります。

・改善例:
「お客様に感謝の気持ちを込めた、特別なご提案です」
 →限定感とともに顧客への感謝を前面に出すことで、より魅力的なメッセージとなります。

4. 日常会話における柔軟なコミュニケーション

友人間の会話例

・従来の表現:
「そんなことできるわけがない」
 →直接的な否定は、相手の感情を傷つける可能性があります。

・改善例:
「少し難しいかもしれないけど、別の方法も試してみよう」
 →否定を避け、前向きな提案をすることで、円滑なコミュニケーションが実現されます。

お誘いの表現

・従来の表現:
「来週、飲みに行こう」
 →形式的で一方的な印象を与えかねません。

・改善例:
「最近お互いに忙しいかと存じますが、来週ゆっくりお話しできれば幸いです。いかがでしょうか?」
 →柔らかな提案と相手への気遣いが、安心感とともにポジティブな反応を引き出します。

5. 謝罪・フィードバックにおける適切な表現

謝罪の表現

・従来の表現:
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
 →定型的な表現だけでは、誠意が十分に伝わらない場合があります。

・改善例:
「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。今後は同様の事態が再発しないよう、改善策を講じて参ります」
 →謝罪とともに具体的な対策を明示することで、誠意と責任感がより明確に伝わります。

フィードバックの表現

・従来の表現:
「もっと頑張ってください」
 →一方的な改善要求だけでは、相手のモチベーションが下がってしまいます。

・改善例:
「とても良い点が多く、今後さらに成長されることを期待しております」
 →ポジティブな評価と具体的な改善点を示すことで、建設的なフィードバックが実現されます。

おわりに

以上の事例からも明らかなように、表現をわずかに変えることで、受け手に与える印象は劇的に変化します。
感謝、敬意、配慮といったポジティブな言葉を意識することで、業務の一コマや日常のコミュニケーションすらも価値ある体験へと昇華されるのです。

言葉の持つ力を最大限に活かすための一助として、本稿が皆様のお役に立てれば幸いです。