多くの人が「良い会社に入ること」や「安定した職に就くこと」が大切だと教えられてきました。
しかし、仕事は単なる手段でしかありません。就職先はどこでも構わないのです。それよりも大切なのは、自分自身の人生において本当に重要なことを見極め、それに向かって進んでいくことです。
その際に考えておくべき重要な3つのポイントについて、お話ししていきたいと思います。合っているかはわからないけど。
1. ゴールを設定すること
「目標なき船は、どこにも到達しない」。よく言われる言葉です。人生という長い旅路でも同じことがいえるでしょう。
仕事は単なる「収入を得る方法」ではなく「自分の人生を豊かにするための一つの道具」です。
しかし、その道具をどう使うかは、あなた次第なのです。
では、あなたにとって「豊かな人生」とはどのようなものでしょうか。
ちなみに、皆さんは何歳まで生きる予定ですか?
人によって異なると思いますが、人生の終盤を迎えたとき、振り返って「私の人生は充実していた」と感じるために、何を大切にしたいでしょうか。
考えてみてください。仕事をして、年を重ねた結果、何がどうなっていれば「この人生は成功だった」といえるでしょうか。
これは成功者という社会的なステータスの話ではなく、あなた自身の人生というプロジェクトが「成功した」といえるための具体的な条件が何なのかという話です。
たとえば
「こんな家族が欲しいなぁ」
「こんな家に住みたいなぁ」
「こんな仲間が欲しいなぁ」
「こんな経験をしたいなぁ」
いろいろな目標や目的があると思います。そして、仕事はそれを達成する手段でしかありません。
人によって、ゴールや目標は大きく異なります。ある人にとっては社会的地位や名声かもしれませんし、別の人にとっては経済的な豊かさかもしれません。
また、専門分野での卓越した技術や知識を重視する人もいれば、家族や友人との深い絆と幸せな時間の共有を何よりも大切にする人もいるでしょう。
これらの問いに向き合うことが、自分の人生の方向性を見つける第一歩です。
アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは「人は自分の望むものが明確になったとき、それを実現するための道筋も見えてくる」と語っています。
何を大切にしたいのかが見えてくると、日々の選択も自ずとその方向に沿ったものになるでしょう。人生において何を優先すべきかが明確になり、仕事もその目的に沿った手段として位置づけられるようになります。
やりたいことがない人へ
「特にやりたいことがない」「明確なゴールが見つからない」という人も多いでしょう。
そんな場合は、まず「今の人生に完全に満足しているか」と自問してみてください。
多くの人は「不満はないけれど、満足もしていない」と答えるのではないでしょうか。どんな人でも、今よりも良くなりたいという感情は持っているはずです。
その漠然とした「もっと良くなりたい」という気持ちを、具体的な目標に変換することが大切です。
・自分にとって「もっと良くなる」とはどういうことか(=ゴール)を考える
・それが今はっきりしなくても、まずは方向性を持つことから始める
ゴールは時に変化することもあります。最初は完璧でなくても、何かしらの方向性を持つことが第一歩なのです。
2. ゴールに近づくためには変化しなければならない
ゴールを設定したら、次はそこに向かって進むことが大切です。しかし、昨日と同じことを続けていても、新しい結果は生まれません。
「昨日と同じことをして、違う結果を期待するのは狂気の定義である」とアインシュタインは言ったとされています。
就職活動のわずかな期間で、60年後の自分の成功につながる選択をするのは困難です。
それよりも大切なのは、日々の選択と行動です。
昨日よりも今日、今日よりも明日、少しでも自分のゴールに近づくための変化を取り入れることが重要なのです。
今日と明日に変化を起こすには、何かを変えなければなりません。変化とは、何かをやめたり、新しいことを始めたりすることです。
単純に考えてみましょう。毎日まったく同じことを繰り返していては、より良い方向へ進むことはできません。自分のゴールに近づくためには、日々の小さな変化の積み重ねが不可欠なのです。
そのためには、チャレンジすることが必要になります。チャレンジとは未知の領域に踏み出すことであり、それには勇気が必要です。経営学者のピーター・ドラッカーは「最も重要なのは効率ではなく、正しい方向に進んでいるかどうかだ」と説きました。ゴールに向かって
少しでも前進するためには、変化を恐れず、チャレンジする姿勢が大切なのです。
たとえば、人類の歴史を振り返ってみても、1日のほとんどを食料採取に費やしていた時代から、より豊かでゆとりのある生活を実現するために、狩猟の時間を減らして農耕にチャレンジするという変化がありました。
この変化があったからこそ、文明は発展してきたのです。
もちろん、人間にとってチャレンジや変化は時に辛く、苦しいものです。できれば現状維持のまま、快適に過ごしたいという気持ちは誰にでもあるでしょう。現状に何の不安もなく、何の我慢もないのであれば、それも一つの選択かもしれません。
しかし、たとえ自分が変わらなくても、世の中は常に変化し続けています。突然環境が変わってしまうこともあります。だからこそ、最低限、世の中の変化のスピードと同じだけの変化は自分自身にも必要なのです。
3. チャレンジして変化を起こし続けるために
チャレンジと変化の重要性は理解できても、それを継続するのは容易ではありません。
継続的にチャレンジし変化を起こし続けるためには、何が必要でしょうか。
チャレンジするために大切なこと
チャレンジを続けるために最も重要なのは「心が動く方向」へ進むことです。心が動くとは、内側から湧き上がる感情のことです。それは様々な形で現れます。
- ・「面白そう!」という好奇心 – 新しい分野や技術に触れたとき
- ・「楽しそう!」という期待感 – 創造的な活動に取り組むとき
- ・「すごい!」という感動 – 誰かの成果や実績に触れたとき
- ・「もっと知りたい!」という探究心 – 学びが深まるにつれて
- ・「誰かの助けになりたい」という共感 – 他者の課題に触れたとき
- ・「これを解決したい」という使命感 – 社会の問題に向き合うとき
- ・「もっとうまくなりたい」という向上心 – 技術を磨くとき
こうした感情が湧き上がる環境や仕事に身を置くことが、持続的なチャレンジを可能にします。何が得意かより、何に心を動かされるかを優先すべきです。
Google社の創業者ラリー・ペイジは「情熱を持てることに取り組みなさい。それ以外は時間の無駄だ」と述べています。情熱があれば、困難も乗り越えられるのです。
そのゴールがうっすらとしか見えていなくても、興味の湧いた方向に進んでみることが、継続的なチャレンジの秘訣です。チャレンジできない環境では、自分のゴールに近づく可能性は低くなります。
心が動くことに積極的にチャレンジできる環境を自ら選び、創り出していくことが重要なのです。
「適職」という幻想を手放す
チャレンジを継続するためには「自分に向いている仕事」を探すことに執着しすぎないことも大切です。内定をもらえたなら、少なくともその会社はあなたがその仕事に適していると判断したと考えましょう。
大事なのは、少しでも心が動く方向に一歩踏み出す「根拠のない勇気と好奇心」です。
目標に向かって進むためには、勇気を持って一歩を踏み出すことが大切です。どんな小さな一歩でも、それがゴールに近づくための確かな前進となります。
適性よりも重要なのは、その環境や仕事があなたの心を動かすかどうかです。心が動く環境であれば、チャレンジする意欲が湧き、持続的な変化と成長が可能になります。
最後に
人生において仕事は確かに重要です。しかし、それは目的ではなく手段にすぎません。就職先がどこであれ、本当に大切なのは
- ・自分なりの明確なゴールを持つこと
- ・ゴールに近づくために変化を恐れずチャレンジすること
- ・そして、感情が動く方向へ進み、挑戦し続けること
この3つを意識しておくことが重要なのです。変化を恐れず、心が動く方向に継続的にチャレンジすることで、自分らしい充実した人生を築くことができるでしょう。
そして忘れてはならないのは、人生の過程で新たな気づきが生まれ、ゴール自体が変わることもあるということです。
よりゴールへ近づける道が見つかったり、まったく新しいゴールが見えてきたりしたら、転職するなど違う道を選ぶことも大切です。大事なのは、自分の人生の主人公として、常に意識的に選択し続けることだと思います。
日本の経営者である稲盛和夫氏は「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という方程式を残しています。この方程式において最も大きな比重を占めるのは「考え方」だと彼は説きました。
つまり、どのような目標や姿勢で人生に臨むかが、最終的な結果を決定づけるのです。
どんな環境でも、ゴールに向かって一歩一歩進み、心動かされることに情熱を持ってチャレンジし続ける人は、必ず自分なりの成功を掴むことができるでしょう。
今日から、あなた自身のゴールに向かって新たな一歩を踏み出してみませんか。
