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労働のエビデンスについて考える

仕事術

労働のエビデンスとは何でしょうか。

私たちの仕事はよく税理士さんと比較されますが、一番の違いはエビデンスの有無だと思います。
税務業務なら領収書や請求書などの明確なエビデンスがあるので、それをもとに仕事を進めることができます。
「この領収書は何ですか?」と聞くような塩梅です。

では、労働者にとってのエビデンスは何でしょうか。

一般的には雇用契約書や勤務簿がエビデンスになりますが、「明確なエビデンスは存在しない」という認識が最も正確だと思います。

一番大事なのは、会社と労働者の認識に差があるかどうかです。

認識や管理帳簿に誤りがあれば、やはり修正する必要があります。
往々にして下記のようなケースが見受けられます。

  • ・会社は「固定残業あり」と伝えていて社員も納得しているけど、雇用契約書に記載がない
  • ・仕事は18時に終わったが、タイムカードを押し忘れて19時に打刻し、経営者もそれに気付いていない
  • ・変形労働制なのに、就業規則は固定労働時間制になっている

このようなケースは

  1. 1.認識を確認する
  2. 2.帳簿を修正する

が正しい判断になります。

修正しないまま放置すると、誤ったエビデンスが正しいものと判断されてしまうわけです。

なお、すべての帳簿が正しいと判断した場合には、以下の順に重要度が高いと考えます。

  1. 1.雇用契約書
  2. 2.就業規則
  3. 3.勤務簿
  4. 4.給与明細

つまり、

  • ・雇用契約書で、提供する時間と提供する賃金を決定する
  • ・契約書にないその他のルールは就業規則で決める=お互いに守る→お互いに守れない場合は契約違反(例:欠勤=出勤ルールを満たさなかったので賃金を払わない)
  • ・労働を提供した時間を計測する
  • ・計測した時間をもとに給与を払う

上記の原則をしっかりと抑えましょう。
なお「提供する時間を増やす・減らす」「勝手にシフトを変更する」などはできないという契約を結ぶ必要があります。

ただし、会社は労働者に、提供する時間を増やす指示を出すことができます。
つまり、会社が残業を指示したら、労働者は従わなければなりません。

具体的には、雇用契約書で

  • ・残業有
  • ・休日出勤有

となっている場合、雇用契約で残業指示に従わなければならないという解釈になります。

「今日は残業だ!」と会社に言われたら基本的には従ってください、ということです。
しかし、現代社会で実際にこのようなことをしてしまうと、どんどん社員が辞めちゃうのでやらないわけです。

おかしな話ではありますが、労働基準法自体が時代遅れなのかもしれませんね。。。