「どうしたらできるか?」の思考法
問いを変えるだけで、組織も売上も変わります。
まず、問いは“脳への指令”だと理解してください。
たとえばあなたが、
「なんで社員が育たないんだろう?」
と思ったとしましょう。
すると脳はこう答えます。
「やる気がないからだな」
「ゆとり世代だから仕方ない」
「採用がダメだったのかも」
これだと何も変わりません。
じゃあ、問い方をこう変えてみたらどうなるか?
「どうしたら社員が育つ仕組みを作れるだろう?」
すると今度は、
「オンボーディングの流れを見直そうか」
「指示じゃなく目的を先に伝えてみるか」
「先輩社員に教え方のマニュアルを渡そうか」
このように脳が“解決モード”に切り替わります。
この切り替えができる人は、現場の改善も早いし手詰まりになりません。
ダメな問いのクセ、ついてませんか?
正直、私自身も、
「なんで売れないのか?」
「なんで回らないのか?」
「なんでやらないのか?」
って問いをよく使っていました。
でもこれ、問いの形をしてますけどただの愚痴です。
この質問だと、思考は“やらない理由探し”に陥ります。
問いかけ次第で、結果がこう変わる
①社員教育がうまくいかなかったA社長の場合
×「なんで新人ってすぐ辞めるんだ?」
→「メンタル弱い」「昭和じゃないからな」と結論
〇「どうしたら新人が1ヶ月は続く仕組みを作れるか?」
→「初週は“安心感づくり”に特化」「昼飯は毎日誰かと行くルール」
→ 3ヶ月定着率20% → 80%に改善
②営業が伸び悩んだB社長の場合
×「なんであいつ、成約できないの?」
→「コミュ力が足りない」「商品力が弱い」…と堂々巡り
〇「どうすれば、この商品が“刺さる相手”に届くだろう?」
→「営業先のセグメントを変更」「クロージングの順番見直し」
→ 契約率が1.8倍、しかも単価アップ
③利益が出ないC社長の場合
×「なぜ利益が残らない?」
→「経費が多い?」「値下げしすぎた?」…と後追いで思いつくだけ
〇「どうしたら売上じゃなく、利益ベースで回せる仕組みになる?」
→「粗利ベースで商品棚卸」「値引きOKの条件を明文化」
→ 粗利改善、キャッシュフローが安定
経営者こそ、問いの立て方で“世界の見え方”が変わる
経営って、ずっと「判断の連続」ですよね。
その判断を支えるのは、問いの質です。
「どうしたら社員が動くか?」
「どうしたら管理職が考えるようになるか?」
「どうしたら採用がギャンブルじゃなくなるか?」
こういう問いを持っていると、行動が具体的になります。
今日からできる「問いのリハビリ」
社員がミスしたとき、あなたなら何て言いますか?
「なんでこんなことした?」
→ これはNG。「詰めてる」だけです。
「どうすれば次に防げる?」
→ これはOK。「未来の設計」に脳が切り替わる。
これだけでも、社内の空気が全然違ってきます。
問いが“思考のOS”です
社長って、孤独です。誰も答えを教えてくれない。
だからこそ、問いがすべての起点になります。
そして「どうやったらできるか?」という問いを習慣化すると、
行動が前に進むようになり、社員の思考も伝染し、会社全体が“解決志向”になります。
それが結果として、売上や離職率に表れていくのです。
問いの質を変えれば、会社の未来が変わります。
さて、今日のあなたの問いは、
「なぜできないのか?」
それとも
「どうやったら、できるか?」
ですか?
